多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

日本や中国の内陸部で「コイ」が食用として重宝されていた理由

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

2月8日放送のテーマは、食用の「フナ」と「コイ」について。「釣りはフナに始まりフナに終わる」という格言があります。まずはこの「フナ」について深掘りします。

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駆け引きを楽しむヘラブナ釣り

「釣りはフナに始まりフナに終わる」。

この格言は、こどもの頃に「マブナ」で釣りの楽しさを覚え、大人になっていろいろな釣りをするようになるものの、歳を重ねたあとはまた近所で「ヘラブナ」釣りを楽しむようになる、という意味です。

ヘラブナは釣って食べるためのものではなく、“釣りの駆け引きを楽しむ”という、本当に奥が深いものだといいます。

日本のフナは3種4亜種。種としては3つで、そのうちの1つが4種の亜種に分かれていて非常に複雑です。

ヘラブナと呼ばれているものは、正確には「ゲンゴロウブナ」。本来は琵琶湖と、琵琶湖から出てくる川(淀川水系)の固有種です。

ただ、現在は養殖で数が増え、あちらこちらに放流をしているため、ほぼ日本中に生息しています。このうち、放流して釣りの対象となっているものを「ヘラブナ」と呼んでいるそうです。

鮒寿司になるニゴロブナ

ヘラブナは体高が高く平べったい体の魚。目が比較的下の方にあり、植物プランクトンを食べます。

他のフナは、湖の底にいる昆虫の幼虫や貝を食べるといった違いもあるそう。

ヘラブナはあくまでも釣りを楽しむ魚で、食べることはありません。それでもフナやコイは食用としていろいろな地域で発展してきた歴史があります。

鮒寿司の材料になる「ニゴロブナ」は、完全に琵琶湖の固有種。

琵琶湖あたりで「ヒワラ」と呼んでいる「ギンブナ」は、日本中に分布しているどこでも釣れるフナ。東海地方でもどこでも捕れる魚で、木曽三川の中下流ではよく食べられているそうです。

好き嫌いが多いといわれる鮒寿司ですが、こういった意味では日本を代表する食のひとつともいえます。

内陸でコイが食べられていた理由

続いては「コイ」。コイは内陸部に住んでいる人々にとって、とても大事な食材だったようです。

コイの料理の中で有名なのは「鯉こく」や「鯉のあらい」があります。
長野などの海のない県は、コイの料理が発展しているそうです。

日本のように内陸が狭くて沿岸が長い国は、比較的内陸の方まで魚が届きますが、中国は国が大きいため、昔は海沿いで捕れた魚を内陸に持っていくことはできませんでした。

そういう理由で、中国で魚といえば淡水魚。コイもよく食べられています。

日本でも江戸時代には、米沢藩藩主の上杉治憲(ようざん)がコイの養殖を奨励していました。

山に囲まれた地方は魚や肉などのたんぱく質が十分ではないので、生命力が強く、栄養の豊富なコイを食べていたようです。

このようにコイやフナは、昔から食べられてきた貴重なたんぱく源でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2024年02月08日08時30分~抜粋

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