多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

美しい個体だけが生き残れる?ニシキゴイの美しさの秘密

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学大学院 生物資源学研究科 名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

2月1日放送のテーマは、生態が似ている「コイ」と「フナ」の寿命の違い、そして「ニシキゴイ」の美しさの秘密について。

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フナは鱗で年齢がわかる?

「本当の寿命はなかなか難しい」と木村先生。

飼育されているコイは50年とかなり長生きなものの、天然のコイは20年程度ではないかといわれているそうです。

コイやフナの年齢は、鱗で調べられるといいます。鱗に入る木の年輪のような筋の間隔が狭いところと広いところがあり、狭いところは濃く見えるそうです。

「コイの年輪を数えると100あった」という話もあるものの、大学院生の頃に長良川のコイとフナの研究をしていた木村先生が調べた結果、「フナ類は鱗で年齢がわかるものの、コイは全くわからなかった」と言います。

木村先生の研究によると、年輪のようなものができる周期が、コイは1年に1つではなかったというのです。

フナよりもコイが長生き

木村先生「だからコイは鱗で年齢査定ができないんじゃないかと結論付けました。フナはできます」

フナの寿命はギンブナで8歳くらい。ただそれ以上高齢になると、鱗では年齢が読み取れなくなるそうです。

木村先生「年輪と年輪がくっついて、何本あるかわからないという状況になるんです」

加藤「実際に年齢が把握できるのがそれぐらいというわけなんですね」

木村先生「フナの仲間も、エサも十分あって、外敵がない水槽で飼えば、長生きすると思います」

つまりフナに比べると、コイの方がはるかに長生き。しかしそのコイも、厳しい自然界ではあまり長生きはできないようです。

「選抜育種」で美しさを追及

続いては、カラフルで美しい「ニシキゴイ」の秘密について。

ニシキゴイは元々、養殖されていた中国系のコイの突然変異。黒い色素が少なくなると、体の中の赤、虹色、青の色素が表に出てきます。

キンギョと同様、美しいもの同士を掛け合わせる「選抜育種」をして、より美しいコイを作ったものがニシキゴイです。「生きた宝石」と言われるニシキゴイは、こうして生まれたのです。

キンギョはフナの系統ですが、ニシキゴイと同じように選抜育種で育てて綺麗なものを作っているそうです。

外国では「すごい魚」

木村先生「『すごい魚がおるよ!』って言われて外国に行って見せてもらったら、日本では普通にいるキンギョだったっていうのはありますね(笑)。でも宝物のようにして育ててますよね」

加藤「やっぱり、見て綺麗だなと思いますもんね」

木村先生「我々が熱帯魚を見て綺麗だなと思うように、彼らは東洋のアジアの綺麗な魚を飼うのがいいんでしょうね」

多田「外国人からすごく人気があると言われてますけど、外国から見ると、ニシキゴイとかキンギョなんかも不思議な、むちゃくちゃ綺麗な魚という、そういう位置づけなんですね」

加藤「生きた宝石、ニシキゴイは選抜育種という方法で作られてきたんですね」

多田「綺麗な子だけが生き残れるって…(笑)。厳しいな」

ニシキゴイは厳しい選抜を美しさで生き残り、その数を増やしてきた個体だということがわかりました。
(minto)
 
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2024年02月01日08時29分~抜粋

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