多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

古着、本…被災地に送られると困るもの。

能登半島地震が発生して3週間が経過しました。今も現地には救援物資が届いています。
こうした物資は基本的には善意から送られますすが、被災地で本当に必要とされているものと、残念ながら不要でむしろ迷惑になっているものがあるようです。

1月23日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、NPO法人レスキューストックヤード代表理事の栗田暢之さんに、救援物資を送る際に気をつけることについて、具体的に伺いました。

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被災地の印象

栗田さんは、地震の翌日から被災地に入っています。

被災地の第一印象は「阪神大震災、熊本地震とかと同じ風景」だったという栗田さん。
家の倒壊や道路の寸断など、とてもひどい状況だったそうです。

被災当初は情報さえなかったところへ、だんだん救援の手が届いて、救援物資も届くようになりました。
そこに必要な支援物資と、かえって迷惑をかけてしまうような支援物資が生まれるというのです。

多田「現地がもっとも必要としている支援物資はどんなものでしょうか?」

栗田さん「一概に言えないです。すべてないです。が、少しずつ届き始めた。毎日の食、服、などが必要ですが、最初はまったくなくて、徐々に届き始めて、これが全然足りてないというのではだんだんなくなってきました」

不特定多数から不特定多数は疑問

多田「これを送ってきても困る、という代表的なものは何ですか?」

栗田さん「大量の古着は困ります。過去の災害では集まりすぎて、自治体が焼却処分をしたり、ずっと倉庫を借り続けないといけない事態になったり。本当に困ったという事例があります。

他には病院からもらってきて残った薬とか、壊れたおもちゃとか、おにぎりとか」

多田「私がいらないから使ってもらおうというものは、むしろ迷惑なんですね」

栗田さん「被災地に友人がいれば、その方に何かしたいと思うじゃないですか。その方が『これが欲しい』というものを送る分にはまったく問題ないです。相手が見えていればいいと思います。

不特定多数の人が不特定多数の人に対して、自分で勝手にこれが必要だろうと思って送ってくるのが一番困ります。
結局それは役所などに届けられ、どんどん積み上げられて倉庫に置きっぱなしになります」

本も送らない方がいい

多田「よく千羽鶴を送られる方がいますね」

栗田さん「気持ちは受け止めますが、その後の処分が困ります」

多田「先日図書館協会が『本を送るのはやめてください』というメッセージを出していますが、本を送ってくることも多いですか?」

栗田さん「あります。避難所で暮らしている人に本が必要かというと必要です。こどもたちはマンガがあるといいです。しかし、不特定多数の人が本を届けても、その人の嗜好がわかりません。だからミスマッチが起こります」

多田「個の顔が見えてない。不特定多数にだいたいドーンと送ると、多くの場合それは迷惑になるのですね」

栗田さん「その気持ちを届けられないんですよ」

団体に問い合わせて

では何か送りたい時、どうすればいいのでしょうか?

栗田さん「僕たちも現場で何が必要かわかります。だからいったん私たちのような団体に問い合わせていただいて、私たちが運ぶという方法はあります。

でも、古着ならお断りします。他人にものを送る場合は新品です。それは前提条件としてあります」

多田「もうちょっと慮って支援物資を送らないといけませんね」

迷ったら義援金

この被災地に何をどう送るかについて、リアクションが寄せられました。

「私の両親は伊勢湾台風で被災しました。その時に救援物資が入った段ボール1箱ずつが被災した家庭に配られましたが、その箱を開けたら古着がいっぱい。中には下着も。
両親は『何も使えない状態のものばかりだった』と話しておりました。

あれから60年以上経ちましたが、まだ古着を送る人がいるんですね」(Aさん)

多田「確かに善意からでしょうけど、現実的には被災地ではむしろ迷惑なものの代表が古着。何を送ったらいいかはケースバイケース。その被災地、その人にとって、いま何が必要か、本当に難しいです」

「となると、義援金が一番じゃないでしょうか?」(Bさん)

義援金がすべてではないですが、効率のいいひとつの方法かもしれません。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2024年01月23日07時18分~抜粋

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