多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

アルツハイマー病治療薬が、今月実用化!

アルツハイマー型認知症に対する治療薬の実用化が始まったそうです。

それはレカネマブ」という薬品で、厚生労働省がこの薬価を決め、12月20日から医療保険の適用対象にもなり、日本でも実用化が始まります。

12月19日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)では、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員がこの実用化について解説しました。

[この番組の画像一覧を見る]

アルツハイマー病の薬

「レカネマブ」とはどんな薬なのでしょうか?

後藤「日本の製薬メーカーのエーザイとアメリカの製薬企業が共同開発した認知症の治療薬です」

そもそも認知症は、脳の神経細胞を壊してしまう「アミロイドβ」が、歳を取ると脳にだんだん溜まり、神経細胞が壊されて発症します。

この「レカネマブ」にはどういう効果があるのでしょう?

後藤「脳の中のアミロイドβを捕まえて除去する効果が確認されました。
今までの認知症の薬は直接アミロイドβを取り除くことはできなかった。神経細胞が壊れていくのを食い止めるくらいの効果の薬しかなかった。

ところが、新たに直接アミロイドβに作用して除去することができることになり、これは画期的です」

特効薬ではない

この薬での治療対象になる方は味限定的だそうです。

後藤「脳の神経細胞はいったん壊れてしまうと元に戻すことは難しいです。だからレカネマブが効く対象の人は、脳の中で神経細胞がまだまだ壊れていない段階、つまり初期段階のアルツハイマー病の患者さんです」

初期段階のアルツハイマー病の人に対しては、進行を抑える効果があるそうです。

後藤「かなり進んでいる人は元に戻る、改善するという効果は期待できない。特効薬ではないということです」

初期の段階とは?

レカネマブが使われるためには検査が必要だとか?

後藤「PETという放射性物質を造影剤で体に入れる大掛かりな検査が必要です」

初期段階のアルツハイマー病とは、具体的にはどんな症状なのでしょうか?

後藤「もの忘れが進んできて、ちょっと前のことが思い出せないことが頻繁になってきたり、曜日とか、現在の認識があいまいになったりする。けれども社会的な日常生活にまだまだ支障はでてない段階を『軽度認知障害』といいます。

その段階であれば、この薬でアミロイドβを除けば、神経が壊れるのを防げます」

自己負担額

レカネマブによる治療はかなり高額という報道もあります。

後藤「1年半にわたり点滴で受ける薬ですが、ひとり当たりの1年間かかる医療費、この薬の値段は298万円と設定されました。ただ保険適用になりますから、3割負担とかになります。

また、高額になった医療費には補助制度が今ありますから、申請をすれば、自己負担額はある程度抑えられます。
70歳以上のお年寄りの場合は年間、両方の制度を適用すれば10万円前後に抑えることも可能です」

最後に「大がかりな検査があるとか、初期の人だけとか、本来高い薬価だとか、いろいろありながらですが、レカネマブが実用化されることになりました」とまとめる多田しげおでした。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2023年12月19日07時17分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報