多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

飴でおなじみのカンロ、創業時に作ったお菓子は何?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)の「ルーツ・オブ・カンパニー」コーナーでは、毎週、大企業や誰もが知っている有名企業の知られざるルーツ、「この会社、実は創業当時に今とは違う事業を手がけていた」という逸話を紹介しています。

12月6日の放送で取り上げた企業は、カンロ。
飴やグミなどでおなじみの会社で、最近ではのど飴にお世話になったという方も多いのではないでしょうか?特に会社の名前を冠した甘じょっぱい「カンロ飴」が有名です。

ただし、「カンロ飴」は創業時に作られたお菓子ではないそうです。

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最初に作ったお菓子

カンロの創業者は山口県出身の宮本政一氏。

1912年(大正元年)、現在の山口県光市でお菓子屋さんを始め、最初に作ったのはかりんとうなどの焼き菓子でした。

業績は好調に伸びていき、さまざまなお菓子を作るようになって、山口県では有数のお菓子会社に成長しました。

戦後も業績は好調でしたが、砂糖の値段が高騰したり、海外からたくさんのキャンディーがたくさん入ってきたりしたことで、「なんとかこれらの状況に対抗して、新しいお菓子を作りたい」と思い立ちました。

そこで、「日本人だけが好む飴があるはずだ。そのような飴を作らないといけない」と、外国のキャンディーとは異なるテイストの飴を開発しようと考えました。

日本人が好む味といえば

そして、「日本人ならしょうゆ味だろう」と考えて研究を重ねたものの、しゅうゆだとどうしても焦げ付いたりべとついたりして、なかなかうまくいきません。

開発に苦労する中で、山口県のしょうゆ会社が焦げ付きにくい飴専用のしょうゆを生み出し、さらに試作を繰り返して3年の月日が流れました。
そうして1955年(昭和30年)、しょうゆ味の飴がついに完成しました。

必要以上に甘ったるくはなく、どこかしょっぱさも感じるという独特の味の飴ができあがったのですが、その飴に「カンロ飴」と名付けました。

当時、普通の飴と比べて2倍ほどの値段をつけていましたが、今までにない感覚の味だったからか、飛ぶように売れたといわれています。

さらに飴の1つ1つが個包装されていたのも当時としては珍しく、戦後10年経って復興が進み、「少し値段が高くても上等な物なら売れる」という風潮にマッチしたのかもしれません。
 

「カンロ」の意味は?

このカンロ飴のヒットにより、1960年(昭和35年)には会社の名前もカンロに変えました。

ちなみにこの「カンロ」という言葉ですが、これは中国由来で漢字で「甘露」と書きます。

天から降ってくる甘い露は不老不死に通じるもので、とにかく甘くておいしい物として伝えられています。

かなり昔の時代劇でお殿様などが、何かを食べた後に「甘露、甘露」というシーンがあったりするのですが、これは「とてもおいしい」という意味です。

おいしい物の表現として使われる「カンロ」という言葉、今や日本では甘露というと飴がすぐに思いつきますが、その昔は焼き菓子を売っている会社がルーツだったということです。
(岡本)
 
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2023年12月06日08時13分~抜粋

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