多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ねぎま、鴨なんばん…ネギを使った料理の意外な語源

最近急に寒くなり、もう鍋物の季節になりましたが、鍋に欠かせない野菜のひとつがネギ。
直接入れるだけではなく、細かく刻んで薬味としての役割もあります。

12月1日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚特別解説委員が「ネギ」に関するエピソードを紹介します。

ちなみにこの日は群馬県の名産である「下仁田ネギの日」で、出荷解禁の日であることから制定されています。

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ネギの白い部分は茎じゃない

ネギにはかつて地域差があり、関西ではほとんど緑色、関東では緑色と白色の太いネギが一般的でした。

そのため、昔は関西人からすると「関東人は白いところまで食べるぐらい田舎者」、関東人からすると「関西人は緑色のところまで食べるぐらいケチ」と互いに思っていたという話があります。

ちなみに愛知県では、その中間のような、緑色と白色が半々の伝統野菜「越津ネギ」が生産されています。

実はネギの種類は多く、500~800種類もあるといわれています。
下仁田ネギなどの根深ネギにある下の白い部分は、実は茎ではなく、葉鞘(ようしょう)という葉の一部だそうです。

そこが膨らんだものがタマネギやニンニクで、これもネギの一種です。さらにニラやワケギも含まれます。

ネギの語源は?

ネギはもともと中国西部が原産で、シベリア辺りという説もありますが、日本には奈良時代と早くから伝わっています。

一方ヨーロッパには16世紀末、アメリカに至っては19世紀と、比較的最近伝わったようです。
そのためか、あまり欧米でネギを使った料理というのは見かけないように思われます。
ヨーロッパでは、ホワイトアスパラガスの代用として太めの白いネギを食べている人もいることから、「貧者のアスパラガス」と呼ばれているそうです。

長年ネギが親しまれている日本ですが、かつてネギは総じて「紀(き)」と呼ばれていて、そこから「一文字(ひともじ)」とも呼ばれていたそうです。

そのうち、根が深くまで育つ「紀」だからネギ、枝分かれして育つ「紀」だから「ワケギ」と呼ぶようになったという説があります。

熊本にはワケギを酢味噌などで食べる「一文字グルグル」という郷土料理がありますが、それは昔のネギの呼び方から来ているのです。

ねぎまは元々全く別の料理だった

ネギが主役の料理の1つに、焼き鳥のねぎまがあります。
鶏肉と鶏肉の間に切ったネギが入るから「ねぎま」だと思っている方が多いかもしれませんが、この「ま」は「間」ではないという説があります。

日本では江戸時代にマグロを食べる風習が広まりましたが、現在とは違ってトロの部分は脂っこいために捨てられていました。

庶民がトロの食べ方を考えた結果、ネギと一緒に煮ることを思いついたそうです。
つまり、ねぎまの「ま」はもともとマグロの「ま」で、しかも焼き物ではなく鍋でした。

また鶏肉とネギを使った「鴨なんばん」というそば料理があります。
この「なんばん」は「南蛮」と書き、南蛮人がネギを食べていたからという説が有力ですが、別の説もあります。

大阪の繁華街・難波(なんば)では、かつてネギがたくさん生産されていました。そのため、大阪では今でも「鴨なんば」とも呼ばれます。

食材で主役にも脇役にもなれるネギですが、最後に石塚は「いろいろなところで活躍できるネギのような生き方がいいな」とまとめました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年12月01日07時20分~抜粋

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