多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

雌雄同体はマスト?「深海魚」過酷な環境での生態

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

11月30日のテーマは「深海魚」。知られざる深海魚の特徴や生態に迫ります。

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競争を避けて深海に逃げた

水深が200メートル以上のところを「深海」と呼びます。大陸棚は大体水深200メートルぐらいまで。そこまでは広くて急に深くはなりませんが、水深200メートルから3,000メートルまでは急斜面がずっと続いているそうです。

通常、太陽の光を感じるのは水深200メートルぐらいまでで、それ以上に深いところは真っ暗闇。
この水深200メートルから3,000メートルの深さのところに住む魚を「深海魚」と呼びます。

それではなぜ、深海魚は深海に住んでいるのでしょうか?

深海は生き物が少なく、暗くて冷たく、エサも少なく、こどもを作るにも相手も少ない場所。水圧も強く、魚にとって決して住みやすい場所ではありません。

しかし浅いところには敵も多く存在し、エサの取り合いも激しいものがあります。
深海に住む魚たちは競争に負けて、または競争を嫌がり、浅い場所から逃げて行った魚なのかもしれない、ということです。

同種にめったに合わない

子孫を残すには、同じ種類の異性とめぐり合う必要があります。
しかし、せっかく同種に出会えたとしても、同じ性別の場合は生殖活動はできません。

その結果、どちらでもいいように「雌雄同体」になります。つまり卵巣も精巣も持っているということです。

木村先生「滅多に会わない同じ種類が、どちらの性でもこどもを作れるわけですよ」

加藤「理にかなってはいますよね」

深海魚が到達した進化のひとつで、生き残っていくための手段というわけです。

深海はものすごい水圧がかかります。深海魚と一口にいっても千差万別ですが、身体が比較的グニョグニョとしたものが多いそうです。
これは軟骨質またはゼリー状のような柔らかい方が水圧に耐えやすいという理由がありますが、中には完全に硬い生物もいるそうです。

深海魚の目の仕組み

光が届かない暗い世界で暮らす深海魚は、だいたい黒か濃いこげ茶色のような地味な色をしています。しかし中には真っ赤な魚もいるそうです。

海の中は赤い色(波長の長い光)から吸収されていくため、深いところでは赤と黒は同じになります。赤い魚がいるのはそのためだそうです。
また、逆にほぼ透明の魚もいるそうです。

光が少ない深海に住んでいる魚は、弱い光でも見えるように大きい目をしているもの、または光に依存しない生活をしているために目が小さくなるものもいます。
つまり深海魚の目は大きいか小さいか、どちらかを選択して進化してきたというわけです。

特に目の大きい深海魚は、目の奥で光を反射させてそれをまた利用するため、目が緑色や金色に光っているものもいます。

木村先生「ネコを夜にライトを付けて撮ると、目が光っているように見えますね。ネコももともと夜行性なので、弱い光の中で目が反射する仕組みがありまして、これで目が光るということですね」

不思議な世界に住む、不思議な不思議な深海魚の話でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年11月30日08時30分~抜粋

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