多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

麻布台ヒルズのタワーは330m、高層ビルの気になる問題点

11月24日、東京都港区で麻布台ヒルズが開業しました。
4つに分かれるエリアのひとつ、「麻布台ヒルズ森JPタワー」は330メートルと、日本で初めて300メートルを超える超高層ビルです。

11月24日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が「高層ビル」をテーマにさまざまなエピソードを語りました。

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歴史的に高い建造物

そもそも人はなぜ、高い建築物を建てようとするのでしょうか?

「高い景色を見てみたい」という人々のニーズを満たす目的もありますが、昔の権力者には「自分の権力を誇示する」という目的がありました。

また宗教的な施設では「天に近づきたい」という目的もあります。

日本では出雲大社の本殿の高さは現在24mと高いのですが、発掘調査から昔は48mほどあったという説があります。
これは15回建てのビルに相当しかなり高いことがわかります。
 

高層ビルができたのはいつから?

高層ビルは19世紀後半、20世紀初頭までの間あたりから作られるようになってきました。

アメリカではさまざまな技術が集まったことで実現できました。
例えばエレベーター、さすがに最上階まで階段を利用するのは現実的ではありません。
また、高層階だと窓が開けられないため、空調設備も必要です。
もちろん鉄骨や建築技術など、さまざまな技術が組み合わさって、高層ビルはできてきました。

高層ビルを建てるようになった理由は、人口過密化や地価の高騰により、狭い土地でなるべく高く建てるのが効率的と考えられたためです。
そのため、土地の狭いニューヨークでビルがたくさん建っています。

そのニューヨークにあり、世界で昔から有名な高層ビルといえば、エンパイアステートビル。高さは320mで102階建てです。

日本の高層ビルの歴史

高層ビルのことを摩天楼と呼ぶことがあります。

最近はあまり言わなくなりましたが、「摩」は摩擦という言葉があるとおり、こするという意味があり、楼は楼閣、高い建物という意味です。

つまり天をこすることができそうなぐらい高い建物という意味ですが、 これは高い建物を表す英語、スカイスクレーパーから来ていて、スクレープが擦るという意味ですので、まさにそのままですが、カッコいい単語ですね。

日本は大正時代からすでに「百尺規制」という高さ規制がありました。
およそ30mで、だいたい9階ぐらいにあたります。
その後、容積率の規制が緩和され、1968年(昭和43年)に36階建ての霞が関ビルディングが建ちました。

そして、1993年(平成5年)に横浜ランドマークタワーが約296mで高さ日本一となりましたが、その後は、「バブル崩壊後の失われた30年」といわれるように、経済が低迷してしまったため、なかなか高層ビルの計画は立てられませんでした。

それが2014年にあべのハルカスが高さ300mで日本一となり、今回、記録が塗り替えられました。

ただし、麻布台ヒルズ森JPタワーが日本一と言われるのは、実はあと4年程度のこと。
東京駅近くにトーチタワーという、385mの超高層ビルができる予定になっています。

高層ビルの問題点

土地が狭い日本にとっては高層ビルのニーズは高いのですが、問題点はあるのでしょうか?

石塚がまず指摘したのは、長周期地震に弱いこと。
また、ビル風ができることや老朽化した場合の補修の問題があります。
そして、容積率を緩和したことでどんどんビルが建ち、景観上の問題というものもあります。

さらにニューヨークでいわれているのが、年に何mmか起きている地盤沈下で、これは高層ビルの重みで沈んでいるからではないかという説もあります。
もちろん、地震に強い作りであることは前提だとは思いますが、気になるところです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年11月24日07時17分~抜粋

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