多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

いまも健在。「オルゴール」は日本独自の名称だった!

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「石塚元章の金曜コラム」コーナーでは、CBC特別解説委員の石塚が、その日にちなんだイベントや記念日をもとにキーワードをピックアップし、掘り下げています。

11月10日放送のキーワードは「オルゴール」。

いい(11)おと(10)、「いい音」の語呂合わせから、11月10日は「いい音・オルゴールの日」と制定されています。

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オルゴールは日本独自の名称

オルゴールは旅行のおみやげや、こどもが図工の授業で作った物など、家庭にひとつあったものです。

「オルゴール」という名称、実は日本独自のもので、もともとオランダ語でオルガンなどのことを「オルゲル」と呼んでいたのを、江戸末期にオルゴールが日本に伝わってきた時、これをオルゲルだと勘違いしてしまい、これが語源で「オルゴール」というようになったそうです。

また、さまざまな外国語が漢字にあてられていますが、日本語では「自鳴琴」と書きます。

オルガンのことを「風琴」、アコーディオンはそれを手に持った物ということで「手風琴」と呼び、自分で鳴る楽器ということで「自鳴琴」というわけです。

オルゴールの原型

石塚がオルゴールの画期的だった点だと挙げたのは、録音装置が発明される前からオルゴールは何度も繰り返し聴ける楽器だったということ。

オルゴールの元となったのは教会にあった「カリヨン」という鐘で、音の異なる大きな鐘をいくつも組み合わせたものでした。

カリヨンは「4つの鐘」という意味ですが、たくさん鐘を集めるといろいろな曲が奏でられ、、鍵盤のように大きな鐘と連動した棒を並べて、音階に合わせてたたくというバトン式カリヨンというものに進化しました。

さらに、突起のあるドラムを自力で回して鐘を鳴らすという物に進化した物が、オルゴールの原型です。

それをコンパクトにできたのは、ぜんまいの発明と時計技術の進化です。

1796年(寛政8年)、スイスの時計職人アントワーヌ・ファーヴルが、世界最古のオルゴールを作ったといわれています。

オルゴールの意外な効果

最初はシリンダ式といって、突起のある円筒形の物をぜんまいでぐるぐる回し、くしのような金属盤を弾いて音を出すという仕組みのもので、現在も小さなオルゴールでよく見かけるものです。

それが後に円盤式といって、突起のあるディスクを回すタイプも生まれました。

円盤式のメリットは、プレス加工できるために大量生産ができることと、円盤を入れ替えることで楽曲を替えられることで、音楽CDに通じるものがあります。

手軽に音楽が楽しめるということで、オルゴールはちょっとしたブームとなりますが、エジソンが蓄音機を発明したことで、取って代わってしまいました。

オルゴールは不遇の時代を迎えますが、おみやげ用として作られたり、あえて昔のものを再現しアンティーク家具として作られたりと、今も製造が続いています。

オルゴール独特の音色は人間が聴き取れない周波数が入っており、それが脳波に影響を与えて癒しをもたらしているという説もあるそうです。

最近オルゴールを聴かなくなったという方は、ひさびさに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年11月10日07時18分~抜粋

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