多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ヒラヒラでおびき寄せてパクッ!ずんぐりむっくりの冬の味覚・アンコウの生態は

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学大学院 生物資源学研究科 名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

11月9日の放送では、冬の味覚「アンコウ」を取り上げました。
なかなか丸ごと1匹を目にする機会がないアンコウですが、一体どんな姿形をしているのでしょうか。

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2種類のアンコウ

木村先生によると、アンコウの見た目はずんぐりむっくり。お腹が丸く突き出たお相撲さんを「あんこ型」と言いますが、この「あんこ」はこのアンコウから来ているという説もあるのだそう。

大きな頭が、背中とお腹の方向に円盤状に平たくなっているのが特徴。食用アンコウの大きさは、最大で1メーターほど。よく見るのは50~70センチぐらいのものが多いそうです。

アンコウとひとくちに言いますが、実は「アンコウ」と、やや色が薄い「キアンコウ」の2種類があります。漁獲量はキアンコウの方が多く、一般的に食べられているそう。

木村先生「パッと見、わかりません(笑)。よく似ておりますね」

違いは口の中。アンコウの口の中はこげ茶色で白い斑紋がありますが、キアンコウはこげ茶色のみ。口の中を見てみないとどちらかわからないほど、外見で区別することは難しいといいます。

大きな身体をカモフラージュ

アンコウはアフリカからオーストラリア、メキシコの太平洋側にも広く生息していますが、キアンコウは日本や台湾などの北西太平洋のみに住んでいます。

ちなみに木村先生は、フランスのマルセイユでアンコウを食べたことがあるんだそう。

アンコウは通常、水深30メートルよりも深いところで見られます。中には500メートルぐらいの深海にいる個体もいるそうですが、だいたい150メートルよりも浅いところで獲れることが多いといいます。

海の底に住んでいるアンコウの身体のふちには、ヒラヒラした海藻のようなものが付いていて、泥の中で砂をかぶって大きな身体をカモフラージュしています。

身体には模様もなく非常に地味。泳ぎも下手で、他の魚に見破られないようにじっとしているそうです。

吊るし切りをする理由

動くのも苦手なアンコウは、大きな口で魚を丸飲みしています。

背びれの一番前の骨の先端に、エサのようなひらひらしたものが付いていて、これを小魚がエサと間違えて寄ってくるので、アンコウは海底にじっとしていながらエサを食べることができるそうです。

アンコウを調理する際は、まな板の上ではなく「吊るし切り」という方法で捌きます。

理由は「身体が大きい」ということ、そして「やわらかい」ということにあります。アンコウは骨が軟骨化しているため、身体全体がぐにゃぐにゃしています。まな板の上に置いてもくにゃっとなってしまい捌きづらいため、吊るし切りが最適というわけです。

加藤「こうして私たちは、おいしいアンコウ鍋をいただくことができる、というわけです」

これから鍋がおいしい季節がやってきます。今年はアンコウ鍋を食べてみたくなりました。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年11月09日08時30分~抜粋

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