多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

創業時のフランスベッドは、ベッドを作っていなかった?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)の水曜日に放送されているコーナーが「ルーツ・オブ・カンパニー」。
誰もが知る会社の知られざるルーツ、「創業当時、実はこんな仕事をしていた」という歴史を紹介しています。

11月1日の放送で取り上げた会社はフランスベッド。
現在は介護・福祉用品なども手掛ける同社ですが、実は創業時ベッドを作っていなかったそうです。いったい何を作っていたのでしょうか?

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創業当初に作っていたものは…

創業者は池田實氏で、1920年(大正9年)生まれで佐賀県出身。

1949年(昭和24年)に東京都三鷹市で双葉製作所という会社を起こしたのが、フランスベッドの始まりです。
当初作っていたのはバイクやスクーターのシートでした。

販売は順調に進んでいましたが、池田氏は人々の生活が西洋式に進んでいることに気づき、寝る時の様式も変わることをと推測しました。

当時多くの日本人は、畳に布団を敷いて寝ていました。
これが西洋の生活様式に変わることでベッドの需要が増えていくと考え、新たな事業としてベッド生産に取り組むことを決意します。

日本風にアレンジ

欧米ではどのようなベッドを使っているのかを確かめるため、アメリカを視察した池田氏。
身体の大きさや骨格が違うこと、日本の湿度の高さなどに気づきました。

そのため外国からベッドを輸入したり、同じ形で製造しても売れないと考え、日本人向けのアレンジを研究。日本人に合うクッションの硬さなど、さまざまな研究を重ねました。

さらに普及における最も大きな課題は、日本の住宅の狭さでした。
布団であれば押し入れがあるおかげで、夜は寝室、昼間は居間として使うことができますが、大きなベッドを置いてしまうと、その部屋は寝室にしか使えなくなります。

そこで考えたのが、昼はソファとして機能し、夜はベッドに変わるという「分割式ソファーベッド」というもの。
単にベッドを売るだけではなく、モダンで豊かな暮らしを実感させる商品を作り販売する、という方針になったのです。

なぜ名前にフランス?

この商品は「フランスベッド」と命名され、1956年(昭和31年)に販売されました。

当時の日本では海外旅行が自由化されておらず、多くの日本人にとってフランスに対する具体的なイメージはありませんでした。
そこで華やかな暮らしを象徴するために「フランス」と名付けたのです。

商品のキャッチコピーは、「8頭身のスタイルはベッドから」というもので、オシャレなイメージを盛り上げました。

そして5年後の1961年(昭和36年)には、商品名の「フランスベッド」を社名としました。今や寝具のみならず、介護などの分野にも進出し、医療機器としてのベッドのレンタルサービスもおこなっています。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年11月01日08時14分~抜粋

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