多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

加入者が減少する「老人クラブ」。新しく求められているものは?

最近「老人クラブ」の会員が減少傾向にあるそうです。
老人クラブは法律に基づいた名称で、現在全国に85,000もの団体があるそうです。

10月31日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)では「老人クラブ」についてCBC論説室の後藤克幸特別解説委員が説明しました。

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高齢者の交流を図る団体

そもそも「老人クラブ」とはどういった団体なのでしょう?

後藤「高齢者が地域のつながりの中で交流を深めるということで、趣味の活動、健康づくりの活動を行うために、自主的に作った組織です。
全国に85,000ほどの老人クラブがあり、会員数だと440万人が参加しています」

法律に基づいて組織が作られているとのことですが?

後藤「戦後復興途中の時代、1950年代にまだ健康保険制度も整っていなかったので、将来の老後に不安を感じた人たちがクラブを作って地域で活動していました。

1963年に国の方でも老人福祉法という法律を作って高齢者福祉を増進するための組織として公式に位置付けたという歴史があります。そこから国や自治体からの補助も出るようになりました。

具体的な活動としては、囲碁将棋、ゲートボールとか、ハイキング、趣味や健康づくりの活動。あとは地域に役立つボランティアとしてこども見守りパトロールとか、地域の清掃活動など奉仕活動に参加しているクラブもたくさんあります」
 

60代は老人?

高齢者は増えているのに、最近会員数が少なくなっているのはなぜでしょう?

後藤「老人クラブが作られて60年が経ちます。結構制度疲労しているのではないでしょうか?
新たな入会者が増えない。その理由は、中心のメンバーが高齢化して、80、70代後半の人が中心になっています。次をになう60代の人で入る人がほとんど少なくなってきています」

制度ができた頃とは違い、最近の60代はまだ現役で働く方も多くなっています。

後藤「また、街の中には老人クラブに行かなくても民間のスポーツジムや多種多様な趣味講座がいっぱいあるので、老人クラブに入らなくてもいいという人が増えている。団塊の世代は『老人』という言葉自体嫌いじゃないですか」

「老人クラブ」という名前にも問題があるのかもしれません。

多様な価値観

老人だけが集まる組織に参加しなくても、若い人たちと一緒に活動したいという意欲的な人も増えています。

後藤「世代の枠を超えて、みんなで多様な価値観の中で活動した方が脳も活性化されるし元気になれる。
今後は老人クラブという名前も変えるべきではないか、活動の内容も、バンドをやりたいとか、若い人と一緒になにかやろう、街づくりも多くの世代が関わって新しいものを作ろう、そんな活動が必要ではないか。

それから男女共同参加の視点を持つべきです。例えば老人クラブの85%が男性で、クラブを仕切って組織運営をしている。これは改革して欲しいという女性の声も多いです。

そもそも老人クラブは今の時代必要か、という議論も出てきそうです」

最後に団塊の世代である多田は「法律が作られた今から60年前と時代背景は全然違います。もう一度考え直してもいいかなという時期ですね」とまとめました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年10月31日07時17分~抜粋

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