多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「生きている化石」シーラカンス。本当はどんな魚なの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学大学院 生物資源学研究科 名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

10月26日放送のテーマは「シーラカンス」。“生きている化石”と呼ばれていることで有名なシーラカンスですが、実際はどんな魚なのでしょうか。

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現生のシーラカンスは2種類

最初にシーラカンスが見つかったのは、1900年の中頃。南アフリカ近郊で発見され「文献に出てくるような魚が獲れた」と大騒ぎになりました。大きさはメスが最大で2メートル、オスは1.6メートルほど。

そして1999年、インドネシアの漁師が捕まえたこれとそっくりな魚が、別種として記載されました。こちらはアフリカのシーラカンスに比べると小さく、1.4メートルほど。

現在シーラカンスと呼ばれているものは、この2種類。体の大きさやエラの形などの細かい部分が少々異なるだけだそうです。

4億2000万年から存在していた

「生きている化石」と呼ばれるシーラカンスですが、一体いつ頃からいる魚なのでしょうか?

木村先生によると、シーラカンスは古生代から中生代にかけて存在していました。これは実に4億2000万年ほど前。これは地球に生き物が現れて、まだ1億年~2億年しか経っていない頃。想像も付かないほど前の話です。

驚くべきは、当時の化石と今生きているシーラカンスの形が非常によく似ているということ。

それまでは、地球上の4分の3の生き物が絶滅した白亜紀の終わり(約6600年前)に、シーラカンスもすべて絶滅したと考えられていました。それがアフリカで見つかり、大騒ぎになったというわけです。

地球上の最初の生き物は、およそ40億年前のひとつの細胞からできた単細胞生物と考えられています。今いる動物の祖先となる生き物の登場が5億4万年前、人類が誕生したのが500万年前。

こう考えると、シーラカンスが存在していた4億2000万年前がいかに古い話かということがわかります。

短い腕にひれが付いている?

そんなシーラカンスの体の大きな特徴は、ひれの部分にあります。2つある背びれの後ろの背びれと尻びれ、人間の手にあたる胸びれ、足にあたる腹びれが、腕のような先に付いています。

つまり体の根本からひれが出ているのではなく、まるで短い腕があるように見えるその先にひれがあるということです。この部分が、普通の魚のイメージとは少々異なります。

シーラカンスが住んでいるのは、急斜面の岩礁地帯。水深約140メートル~400メートルのところです。

昼間はほとんど岩陰や小さな洞窟のような場所で過ごします。夜になるとそこから出てきてゆっくりと泳いだり、海流に流されたりして移動して、イカ類やキンメダイやギンメダイといった深海性の魚のエサを食べます。

シーラカンスは最も長生きしたもので95歳。かなり長生きです。

「4億年姿を変えないのも、なんかわかるような気がしますけどね」と笑う木村先生と、「ゆったり生活して、長く生きて。いいですね」と、うらやましがる加藤でした。
(minto)
 
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2023年10月26日08時31分~抜粋

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