多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

今年は不作でなお高価に!松茸はなぜ高い?

秋の味覚の代表格、高級食材でもある松茸。実は今年、松茸の値段が上がっています。
入荷量が減少し、一部地域では倍の値段になっているところもあるとのこと。

そもそもなぜ松茸は高級なのでしょうか?。

10月24日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)では、光山雄一朗アナウンサーが三重県津市岩出菌学研究所研究開発部の多田有人さんに伺いました。

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アカマツの林に育つ

多田さん「松茸は日本を代表する食用きのこです。主にアカマツの林に発生します。特に香り、歯ごたえがとても日本人好みですね」

しめじ、シイタケとはどう違うのでしょう?

多田さん「シイタケ、ヒラタケ、しめじなどは、枯れた木に取り憑いて、そこから栄養分を得て生きています。
松茸は、アカマツの木と協力をしながらお互いに生きている、栄養分をやり取りしながら生きているキノコです」

松茸はなぜ高い?

松茸が高級食材と言われるのはなぜでしょう?

多田さん「ひとつはアカマツと共同して生きているという条件が、私たち人間の手ではなかなか作り出すことができないからです。シイタケに比べると人工栽培ができないです。
そのため、この限られた時期しか手に入らないというのが希少価値を高めているひとつの要因だと思います。

あとは、アカマツの林も最近は松に元気がなく、さらに松茸の発生力が少なくなっているというのも、価格が高騰している原因だと思います。

少ないだけでなく、香りと歯ごたえが、非常に日本人の好みにあっているということで、少ないものを取り合いになって、価格が上がっている状況です」

人工栽培は可能?

松茸の人工栽培は難しいのでしょうか?

多田さん「人気のあるキノコなので、いろいろなところで挑戦はしていますが、シイタケみたいに空調栽培で年中できるとはならないです。

ひとつやるとすれば、アカマツの林がいま荒れていますが、そこをきれいにするなどして、松茸の菌がよく生きられる環境にしてあげると、そこで松茸がまたよく取れるようになるかもしれません」

例えばどういった手入れでしょうか?

多田さん「昔はアカマツの林に入って、松の葉を集めてそれを燃料にしていた時があって、その時は林がきれいに保たれていました。
そういう条件を作ってあげるのがひとつの手だと思います。

意図的に松林の地上に落ちている葉や雑草をとって、地面をきれいにする。これが最初のアプローチだと思います」

今年の松茸は?

松茸が育つのはどんな条件でしょうか?

多田さん「まず梅雨時にしっかり雨が降ること。夏は1回高温になって山が乾くといい。その後で秋になって気温が下がって雨が降ると、それが刺激になって松茸が豊作になると言われています」

梅雨で雨がしっかり降ることが大事なんでしょうか?

多田さん「キノコはほとんど水分でできていますが、水分はすごくキノコが成長するのに大事な要素です。逆に今年のように9月まで暑い時期が続いていて、雨も少なかった。これが今年、松茸が不作だった原因だと言われています」

今年の松茸の味わいはどうですか?

多田さん「味が変わらなくてもみんな待ち焦がれていましたから、格別おいしく感じられるのではないでしょうか?」

不作と聞くと、余計食べたくなるのがつらいところですね。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年10月24日07時19分~抜粋

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