多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

鉄道のレールはなぜ1435mm?身の回りにある世界標準

10月13日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、「標準」をテーマにさまざまなトピックを語りました。

このお題を石塚が選んだ理由は、翌14日が「世界標準の日」と制定されているため。この日は、さまざまな分野で標準化を推進した専門家たちの努力を讃える日とされています。

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身の回りにある「標準」

「標準」という言葉ですが、「標」は目標としての杭という意味、「準」は水秤という意味から来ています。

「準」という漢字にさんずいがついている理由は、水平を調べるのに水が使われていたためだそうです。
水の入ったたらいを傾けても、重力の関係で水面は平らなまま。現在でも水平器ではその性質が利用されています。

また「標準」は取り決めるだけではなく、広まらなければ意味がありません。

長さや重さの単位が統一されれば外国との貿易でも不都合が生じません。電池のサイズも単三や単四などと標準を決めることによって、さまざまな機器に利用できるというメリットがあります。
トイレットペーパーもメーカーによって幅がまちまちだと、そのメーカーごとにペーパーホルダーを作らなければならず、かなり使い勝手が悪くなります。

日本ではJIS(日本産業規格、昔は日本工業規格と呼ばれていました)が、さまざまな規格を決めていることで有名です。

線路の幅「1435mm」の謎

「標準」がつく単語のひとつが「標準語」。
各地で方言がありましたが、方言だけだと地域が違う人たちとの意思疎通がはかりにくいため、標準語が用いられます。

また、国が統治するのにあたり、度量衡(長さや体積、重さの単位)を揃えたり、文字を統一させたりすることがあります。

古代ローマ帝国では、馬車を通らせるために道路を整備したのですが、その際に道路の幅もきちんと規定されていました。

ちなみに「標準軌」と呼ばれる現在の鉄道のレール幅は、この古代ローマ帝国の馬車の車輪幅は1,435mmが発祥という説があります。

世界標準が進むものの

かつてはそれぞれの国内で「標準」を決めてきましたが、世界の貿易が進む中で、国際標準を決める必要性が出てきました。その代表が「メートル法」です。

また、新しい技術が生まれる度に標準を決めていく必要がありますが、以前は日本がよく標準化に失敗し、「ガラパゴス化」などと呼ばれていました。
例えば、日本製の携帯電話は、今や完全にスマートフォンに取って替られてしまいました。
独自の進化を遂げていきましたが、世界で広く売ることはできなかったのです。

一方で日本発の世界標準化もいろいろとあり、例えば「非常口」のマークは日本生まれです。
最近はなんでもグローバルスタンダード化が進んでいます。ただ標準化は便利な反面、各国の文化が反映せず、面白みがなくなっているかもしれません。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年10月13日07時17分~抜粋

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