多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

オスが卵を産むって本当?タツノオトシゴの不思議な生態に迫る

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

10月12日放送のテーマは、「タツノオトシゴ」の変わった生態について。珍しい卵の育て方、偶然頼みのエサの食べ方、そして不思議な名前の秘密についても伺いました。

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カンガルーのような袋

まずは「卵の育て方」から。
タツノオトシゴのオスの尾部には、「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれる袋があります。これはいわば、カンガルーの袋のようなもの。

メスがその袋に入れた卵に、オスが精子をかけます。つまり卵がふ化するまで、オスのお腹の中にこどもを入れているというわけです。

木村先生「妊娠しているような感じのものはオスなんです。メスじゃないんです。卵、こどもを身体に付けて守る、という生態を持っていますね」

その後、形態的なタツノオトシゴの格好になって、お父さんの育児嚢からプップップッと出てくるそうです。

以前「タツノオトシゴはオスが卵を産む」と聞いたことがあるという多田しげお。これは、この珍しい生態によって、「まるでオスが卵を産んでいるように見える」ということだったようです。

目の前のエサを吸い込む

続いての特徴的な生態は「エサの食べ方」。
タツノオトシゴは目から前の部分が長くなっていて、その先端に小さな口が付いています。

木村先生「上下の両方の顎から目のところまで、長い管になっているわけです。いわゆるストローで吸うように、エサをスッと吸い込むんですよ」

タツノオトシゴは、小さなエビの幼生やアミ類、大きなプランクトンを食べています。すべてスポイトで吸うように、目の前に来たエサをスッスッと吸い込んでいくそうです。

多田「タツノオトシゴは尻尾の部分で何かに固定して、そこでゆらゆら揺れてるだけですよね。たまたまタツノオトシゴの前を通りかかったエサは、えらい災難ということにもなりますが(笑)」

これも自然界の生態、食物連鎖のひとつということです。

名づけに感じるロマン

まるで「龍の子ども」のような見た目をしていることから、日本では「タツノオトシゴ」という名前で呼ばれています。

学名は「Hippocampus(ヒポカンパス)」。これはギリシャ語のHippos(馬)、Campos(海の怪物)という意味。つまりタツノオトシゴは「海の馬の怪物」というわけです。

英語では「Seahorse(シーホース)」。顔が長く馬に似ていることから「海の馬」と呼ばれています。

多田「確かに顔の部分を見たら馬みたいですが、『シーホース』よりも『龍の子ども』だっていう方がロマンがあっていいですよね」

加藤「見るからにそんな感じしますよね」

多田「『竜(たつ)』の『落とし子』」

加藤「おもしろい名前の由来を教えていただきました」

海の馬ではなく、竜の落とし子。名づけのセンスにロマンを感じた多田でした。
(minto)
 
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2023年10月12日08時27分~抜粋

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