多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

きっかけはビール工場?デジタルエンタメ化していく「回転寿司」の歴史

回転寿司大手のスシローが「デジタルスシロービジョン」(通称:デジロー)を一部の店舗に導入すると発表しました。

各テーブル席に縦50cm、横1.5mの大型モニターが設置されていて、レーンに乗った寿司などの商品の映像がテーブルの端から端へと流れていくというもの。映像をタッチすることで、注文できる仕組みです。

10月5日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、回転寿司の始まりから現在に至るまでの歴史について、CBCの北辻利寿特別解説委員が解説しました。

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世界初!回転寿司の始まり

世界初の回転寿司店が登場したのは今から65年前。
1958年(昭和33年)に東大阪市の「廻る元禄寿司 1号店」でスタートしました。

それまで寿司屋といえば、値札のないメニューが多い、気軽に入れない雰囲気がある飲食店でした。
そこで東大阪市の白石義明さんが「気軽に寿司を楽しんでもらいたい」と、1皿20円の立ち食い寿司屋を開店。その安さで人気を博していました。

しかし、今度は寿司を握る職人の数が足りなくなる事態に。困った白石さんは、たまたま見学したビール工場でベルトコンベアを見て「寿司屋に応用できないか」と考えたのです。

白石さんはその後10年の歳月をかけて、コンベアで寿司が回る食事台を完成させました。これが回転寿司の始まりです。

回転寿司のメリット

回転寿司のメリットは「店のスペースを有効に使えて、客を大勢入れることができる」こと、「握り手の数を減らすことができる」こと、そして「長居をする客が少なくなった」こと。

お客さんにとっても、「目の前にたくさんの寿司が現れる楽しさ」がありました。

回転寿司は、1970年(昭和45年)の大阪万博にも出店していたそうです。

以前は1皿100円が主流でしたが、2000年代からは回転寿司の世界が大きく変わり、マグロのトロや旬のカツオなど、1皿1,000円近い高級魚も登場し始めました。

さらにフライや天ぷら、麺、デザートなど、サイドメニューの豊富さも回転寿司の特徴のひとつとなったのです。

回転寿司のターニングポイント

やがて回ってくる寿司を取って食べるのではなく、お客さんが職人に直接注文をするというシステムが登場しました。
これが回転寿司の大きなターニングポイントとなります。

ある食品会社の調査では、注文してネタを握ってもらって食べる人がおよそ8割。回転レーンの必要がなくなってきたのです。

そして、目の前に職人がいない非対面型へと進みます。店の奥でロボットが握った寿司が回ってくるようになりました。これが人材削減、そして経営の効率化にもつながったのです。

エンタメ化した回転寿司

そんな中、業界大手のスシローが「デジロー」を開発しました。

たくさんのお寿司がぐるぐる回っている様子は、客のテンションを上げるものですが、デジタル化することにより、昨今社会問題となっている「寿司テロ」「寿司ペロ」などの迷惑事件対策にもつながります。

タッチパネルには、テーマ別に食べたい寿司を絞り込むことができる「すしナビ」や、魚についてのクイズなどもあり、回転寿司は「デジロー」によって、エンタテインメント化しているのです。

変化を遂げてきた回転寿司は今、大きな曲がり角に差し掛かってきたといえるかもしれません。
(minto)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年10月05日07時22分~抜粋

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