多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

東芝の上場廃止で話題!「TOB」って何?

先週、大手電機メーカーの東芝でTOBが成立する見通しになったというニュースが報じられました。
東芝は年内にも上場廃止となり、74年間上場してきた歴史にピリオドを打ちます。

上場廃止しても企業がなくなるわけではありませんが、そもそも「TOB」とはどういうことかと疑問に思う方も少なくないのではないでしょうか?

9月27日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、神戸大学経済経営研究所教授で名古屋大学客員教授の家森信善先生が、TOBの意味や上場廃止のメリット・デメリットについて解説します。

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TOBってどんな意味?

TOBは日本語で「株式公開買い付け」といい、その意味は「株式を公開で買い付けること」なのですが、具体的にはどういうことでしょうか?

まずTOBは「Take Over Bid」の略で、直訳すると「企業買収の入札行動」ということになります。
具体的には「企業を乗っ取りたいので、いついつまでの期間までに株を◯◯円で買い取りたい。そのため売ってくれる人はいませんか?」と株主に募集をかけるということです。

金額を提示する際、その時の相場よりも安いと誰も売ってくれないので、やや高めの金額で募集します。
株式は通常は市場で売り買いされますが、それとは別のところで売買されます。

そもそも、なぜ株を買い取ることが乗っ取りに繋がるのかというと、株をたくさん持っていれば、その会社を支配できるためです。
東芝のように上場廃止まで持っていこうとすれば、3分の2以上の議決権を得る必要があるため、たくさんの株が必要となるわけです。

上場のメリット

株式を上場している会社には大きな会社というイメージがありますが、大きな会社でも上場しているとは限りません。

上場によるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?

家森先生「一番大きいのは、投資家の方から資金を集めることが可能になりますよね。
上場してなかったら銀行からお金を借りるっていう形が中心になるんですけど、株式だと自己資金なので、安定的な資金なんですね。

それから、やっぱり上場会社であること自体が企業の信用力を高めるんですね。
最近のように人手不足だと、学生さんが就職活動をする時にやっぱり『上場企業に行きたいな』という言い方をするんですね。そうすると採用に有利と、一般的に言われるんですね」

上場しないメリットもある

一方で有名な企業でも、サントリーや竹中工務店、JTBやミツカン、朝日新聞や読売新聞など上場していないケースがあります。

逆に上場することのデメリットは、何かあるのでしょうか?

家森先生「まずは上場すること自体にいろんなコストがかかるんですね。
さらに上場していると、いろんな規制やルールに従わないといけないので、自由度が奪われると。

経営陣からいえば、得体の知れない人が株主だといって、急に株主総会に入ってきて要求し始めるわけですよね。それが一番大きな抵抗感があるんですよね」

上場企業には、その「得体の知れない人」によって最終的に企業を乗っ取られるリスクもあるわけです。
もちろん経営陣が良くなく、株主が外部から改善していくケースもあり、それが資本主義にとって大事な機能でもあるわけです。
(岡本)
 
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2023年09月27日07時20分~抜粋

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