多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

大手文具メーカー「コクヨ」、漢字ではどう書くの?

CBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』の「ルーツ・オブ・カンパニー」コーナーでは、今では有名となった日本の企業が創業当時、どのような物やサービスを提供していたのか、ルーツを探っています。

9月13日の放送で取り上げた企業は、大手文具メーカーのコクヨ。

大阪に本社を構え、今や文房具の製造販売に限らず、オフィス全体の環境をつくる企業として知られていますが、最初に販売した物は何だったのでしょうか。

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最初に販売した物は?

コクヨの創業者は黒田善太郎氏で、1905年(明治38年)に創業しましたが、その時点での商品は、和式帳簿の表紙でした。

その昔、日本では商売をするのにつけていた帳簿は和紙でできていて、筆に墨をつけて書いていました。
和紙を半分に折って束ねて綴じて1冊の帳簿としていましたが、それだけだとどうしても心許なく弱い物となってしまいます。

そこで、表紙と裏表紙は固い紙を使う必要があり、コクヨはまさにその表紙を作る会社だったのです。

ものすごくニッチな商売ですが、次第に中の和紙も作るようになり、帳簿全体の製造を担うようになりました。

ただ、その頃には多くの企業がこの分野に参入しており、シェアを高めるのは至難の業だったようです。

50年近く売れるロングセラー商品

黒田氏はあらためて帳簿の付け方そのものを考えてみたところ、明治維新以降の日本は西洋化がどんどん進んでいる状況でした。
帳簿も和式帳簿から洋式帳簿、いわゆる複式簿記に変わってきていることに気づきました。

これからは便利な洋式帳簿を作る方が良いと考えた黒田氏は、自ら複式簿記を勉強し、さらに複式簿記ができる人を雇って、自分の店の経営自体にも複式簿記を採用しました。

時代を先読みした上で、市場のニーズを知るにはまず自分たちでやってみようと考えたわけです。
製造を開始した洋式帳簿は時流にうまく乗ることができ、会社も大きく発展していきました。

この洋式帳簿、1975年(昭和50年)に製造を開始し、今に至るまでロングセラー商品となっている「Campusノート」の製造へとつながっているのです。

コクヨを漢字で書くと

現在は「コクヨ」というカナ表記の社名ですが、創業時は黒田表紙店、大正時代に黒田国光堂という企業名でした。
この「コクヨ」、もともと洋式帳簿を売り出す際に黒田氏が考えたブランド名「国誉」がその由来となります。

富山出身の黒田氏は、19歳の時に家族や知人に見送られ故郷を出る際に「絶対、国(富山)の誉れになるぞ!」と決意しました。
その初心を忘れないために付けたブランド名が「国誉」でした。

黒田国光堂のブランド名「国誉」は、1961年(昭和36年)にカタカナとして社名に採用することとなりました。

最初はノートから出発しましたが、会社のスチールデスクや学習机など、さまざまな商品を作り、もうすぐ創業から120年。
そして今や、日本を代表する文具メーカーとなっています。
(岡本)
 
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2023年09月13日08時13分~抜粋

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