多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

歯磨き粉でおなじみのサンスター、かつて意外な商品を売っていた

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)で水曜日に放送されているコーナーが「ルーツ・オブ・カンパニー」。

毎週、日本で名だたる企業の知られざるルーツ、「この会社、実は創業当時に今とは違う事業を行なっていた」というようなエピソードを紹介しています。

9月6日の放送で取り上げた企業は、サンスター。
歯磨き剤や歯ブラシなどで有名な会社で、本社は大阪府高槻市にあります。
今の言い方ですとオーラルケア、お口の中をケアする商品を中心に販売しています。

しかし創業当時、今の姿からは想像できないものを販売していました。

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90年以上前に創業

サンスター創業者の金田邦夫氏は広島生まれ。1932年(昭和7年)に大阪で金田兄弟商会を設立し、自転車部品を販売する商売を始めました。
当時は自転車は新しい産業として活況を呈していたため、金田氏はそこに着目しました。

つまり、サンスターのルーツは自転車部品だったのです。

いろいろな物を販売する中で大ヒット商品となったのが、パンク修理用のゴム糊を小さな金属チューブに入れて販売した物。

ゴム糊は以前から売られていましたが、大きな缶に入っていたため、パンクの修理に出かける際、持ち運びには不便な物でした。

そこで金田氏はゴム糊を持ち運びやすくするため、小さな金属チューブに入れて売ったのです。

なぜ、歯磨き「粉」と呼ぶ?

ここでピンと来た方もいらっしゃるかもしれませんが、歯磨き剤の製造にちょっと近づきましたね。
練り歯磨きは現在、プラスチック製のチューブに入っていますが、昔は薄い金属のチューブに入っていました。

その前は現在のような練り歯磨きではなく、粉状の文字通り「歯磨き粉」でした。

今でも歯磨き「粉」という言い方をするのはその名残りで、また「練り」という言葉もなくなりました。

金田氏は練り歯磨きを金属チューブに入れれば良いのではないかと考え、さらに爽やかな香料を加えて販売し、大ヒットしました。

そして会社は大きくなり、1950年(昭和25年)には会社名をサンスターとしました。

サンスターの由来は?

「サンスター」は今や企業名として定着していますが、その由来は「サン」と「スター」、つまり、太陽と星です。

これは歯磨きが行なわれるのが太陽が昇っている朝と星が出ている夜、という理由があります。この名が「サンスター歯磨き」というネーミングとなり、後に会社名になったのです。

1949年(昭和24年)の市場シェアは6%ほどでしたが、5年後には38%にまで上がり、今や日本を代表する歯磨き剤メーカーとして有名になりました。

その後も歯磨き剤は進化を続け、1990年(平成2年)には世界で初めて、ペリオクリンという抗生物質治療薬を販売しました。
これは歯周病の治療に使われるものです。

そして、実は現在も自転車関連の事業が行われています。
グループ会社のサンスター技研では、オートバイのブレーキディスクや接着剤などの製造を行なっているとのことです。
(岡本)
 
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2023年09月06日08時16分~抜粋

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