多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

出産後になりやすい心の病気「産後うつ」。原因と解消方法は?

8月28日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、出産後の女性の10~20%の方に起こる「産後うつ」を取り上げました。

最近ネット上でもよく目にするようになった「産後うつ」、そもそもどういうものなのでしょうか?
名古屋市立大学病院 こころの医療センターの内田恵先生に話を伺いました。

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いつから?どんな症状?

「産後うつ」とは、産後の1ヶ月~半年以内の間に「気分が落ち込んで涙が出る」「寝られない」といったうつの症状が、2週間以上続くようになってきた状態を指します。

産後のお母さんによくあるのは「具合が悪いのでは?」「母乳の飲みが悪いのでは?」というように、赤ちゃんのことが過剰に心配でたまらなくなってしまうこと。そして逆に、赤ちゃんに対して無関心になってしまうことがあります。

「愛情を感じない」「お世話が十分にできていないのでは?」と自身を責め、自分の評価が下がってしまうことも「産後うつ」の独特な症状です。

原因はホルモンと環境

「産後うつ」の原因は、エストロゲンやプロゲステロンといった生殖系のホルモンにあります。出産後のホルモンの急激な変化と関係があるといわれていますが、詳しいメカニズムはまだはっきりわかっていないのが現状です。

環境的な問題も大いにあると言われています。例えば夫のサポート不足です。
情緒面のサポートがあるのとないのではかなり違いがあるため、夫は妻の妊娠中から心配事を聞いて、一緒に解決していく姿勢を見せることが大切です

「一緒に育てていく」という実感が持てると、妻はより元気になるそうです。「夫の育児休暇取得」もそのひとつです。

夫以外にも、実の両親や義理の両親から物理的、情緒的なサポートを受けられない場合は、うつ症状に陥りやすいとみられています。

さらに経済面も不安を感じる理由のひとつです。

「産後うつ」になってしまったら?

もし「産後うつ」になってしまった場合、周囲が早めに気付き、お母さんが睡眠を取れるようにすることが大切です。

家族のサポートを受けられない場合は、保育園に入れる、助産師さんに来てもらうなどの社会的なサポートを早めに受けることもできます。

「産後うつ」の多くは軽症から中等症。話を聞いてくれる誰かがいるだけで、早期回復につながります。
つまり「周りに頼る」ことも大切というわけです。

出産後のお母さんは、赤ちゃんの夜泣きなどでなかなか睡眠時間が取れません。

産後は「夜、赤ちゃんを誰が見るか」という問題が出てきます。お母さんが安心して休めるようになるには、具体的に「この人が見る」と決めておくことが必要です。

お母さんが安心できる環境

一人で子育てをするのは大変ですが、まじめでがんばり屋さんのお母さんは「周りの人に負担をかけてはいけない」とがんばろうとして、疲れてしまうことも。

周囲に「助けて」と言えない遠慮がちな方は、気を付けた方が良いということです。

お母さん自身が安心できる環境にすることが最も大切です。「ひとりじゃない」「みんなで協力する」という雰囲気と、具体的に手を差し伸べること。こういった環境にすることが大切です。

家族の中でできない場合もあるため、国や自治体などの社会が環境を整えようとしている動きもあります。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年08月28日07時19分~抜粋

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