多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

軽度でも起こる認知症の「ひとり歩き」。原因や対策は?

現在、全国には600万人以上の認知症患者がおり、ひとり歩きをして行方不明になる人は、この10年ほどで倍増しています。

8月21日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、愛知県大府市の国立長寿医療研究センター 研究所長の櫻井孝先生に、認知症によるひとり歩きについて話を伺いました。

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認知症のあらゆるステージで起こる

認知症による「ひとり歩き」。以前は「徘徊(はいかい)」と言われましたが、現在では「ひとり歩き」と表現が変わっています。

多くは「気が付いたらいなかった」というケース。徒歩だけには限らず、自転車や車を運転して、また電車やバスに乗って出かけたものの、帰れなくなってしまった、というパターンもあります。

例えば逆向きの電車に乗ってしまい、「思ったところに向かっていない」ということでパニックになってしまうということも。これが結果、行方不明につながっています。

櫻井先生「認知症に伴うひとり歩きは、認知症のあらゆるステージで起こります。早期だから起こらないということは決してございません」

軽度の認知症であっても、ひとり歩きは起こりうるということです。

命を守るために大切なこと

家族がひとり歩きで行方不明になった場合、最も大切なのは「捜索」。
一刻も早く警察へ連絡することが、命に関わるような状態を避けるための一番大事なポイントです。

夏は熱中症のリスクが、冬は寒さで凍えるリスクがあります。

「こんなことで警察にお願いしてもいいのだろうか?」と思わず、とにかくすぐに連絡をすることが大切です。

今は、地域の「見守り隊」の活動が盛んなので、事前に登録をしておくことも大きな意味があります。こういった「町の力」でひとり歩きが見つかったというケースも非常に多いそうです。

認知症への偏見をなくすために

誰もが歳を取り、やがて認知症を発症する可能性があります。家族も町全体としても、認知症に対する偏見をなくして取り組むことが大切です。

櫻井先生「認知症に対する偏見は、世界中すべての人にあります。ご家族にも躊躇してしまう心理的な要因もあると思います。決して珍しくないんだっていうことを、理解することが一番大事だと思ってます」

認知症に対する偏見をなくすのは、そう簡単ではありません。ただ、認知症を正しく理解すると、こういった偏見が少なくなることが多くの研究で判明しているそうです。

家の中に閉じ込めてはいけない

櫻井先生「こういったラジオ番組や報道を含めたさまざまな機会で、正しい理解をしていただきたいと思います」

認知症のひとり歩きは再発しやすく、一度あると半数は2回目があります。
だからといって、家の中に鍵で閉じ込めることは決してしてはいけません。

ひとり歩きを心配するあまり、施設に入所させたいというご家族も多いそうですが、まずは「やるべきことをしっかりやってから」というのが櫻井先生の考えだといいます。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年08月21日07時18分~抜粋

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