多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ゴミを荒らす迷惑なカラス。なぜ駆除してはいけないの?

ゴミを荒らす、迷惑なカラス。
しかし「カラスを勝手に駆除してはいけない」ことをご存じですか?

先月、農薬入りの餌を撒いてカラスを死なせた名古屋市在住の男性が「鳥獣保護管理法」違反の罪で逮捕されました。

7月24日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、あすなろ法律事務所の國田武二郎先生に、この「鳥獣保護管理法」について話を伺いました。

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勝手に駆除したらどうなる?

國田先生によると、この「鳥獣保護管理法」は「鳥獣の存在は自然の一部として、人間生活を豊かにする」という考えに基づいた法律。

美しい日本を守るための「自然保護の一環」で、人間と鳥獣が上手に共生することで、人間の生活も豊かにすることができるという考え方が基本にあります。

この法律の対象は、日本に生息する約700種類ほど。野生のカラス、ハト、スズメ、メジロなど、野生の鳥獣すべて。

もし勝手に駆除した場合、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金。決して軽くない罪に問われます。

不衛生な「ネズミ」は例外

とはいえ、やむを得ない場合には、特別な許可のもとで自治体がカラスなどの駆除を行う場合もあります。岐阜・長良川の「鵜飼い」で使うウミウの捕獲もこれにあたります。

この鳥獣保護管理法は、クマ、シカ、イノシシ、そしてネズミやモグラ類、クジラ、シャチ、イルカ、ラッコなどの哺乳類も対象です。

しかし、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミなどの「環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす恐れのある鳥獣」に関しては、この法律は適用外。

家に住み着いているこれらのネズミを駆除しても、法律違反にはならないというわけです。

現代版「生類憐みの令」

では、野良犬や野良猫はどうでしょうか?

鳥獣保護管理法で保護する鳥獣は、常時山野にいて、もっぱら野生の生物を捕食していることが前提。
野良犬や野良猫は飼い主の元を離れ、町や村などを徘徊して餌をあさってるので、基本的にはこの法律の対象にあたりません。

それでは勝手に捕獲して殺傷してもいいのかというとそうではなく、別に「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」が適用となります。

これは「命ある動物をみだりに殺傷してはいけない」という、いわゆる現代版「生類憐みの令」のようなもの。

野良犬や野良猫だからといって傷つけると、5年以下の懲役または500万円以下の罰金という、さらに重い刑罰が下ります。

人間と鳥獣の共存、理想と現実

自然界に住む鳥獣はすべて法律で守られています。「鳥獣保護管理法」は、鳥や動物などの自然の生き物と共生して、共に生活の営みを続けていくことは、人間にとっても豊かなはず、という考え方に基づいた法律です。

「ただ、現実の生活ではどうかなということは、多々あるんですが…」と頭をひねる多田しげお。

多田「人様の方が…そちら様の領域に入って行き過ぎた。こういう場合もあって。そもそも哲学になってきますけど、考え方が難しいところがありますね」

人間と鳥獣の共存、理想論だけでは難しくなってきているということかもしれません。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年07月24日07時20分~抜粋

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