多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

半額の商品も!掘り出し物を発見できる「刑務所作業製品」

刑務所の中では懲役刑の受刑者がさまざまなモノを作り、販売もされています。
こうした「刑務所作業製品」には人気の製品もあります。
最近人気なのが、横須賀刑務所で作られている「ブルースティック」という石鹸だそうです。

7月18日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、について、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員がレクチャーします。

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受刑者が作ったもの

そもそも刑務所作業製品とはどういうものですか?

後藤「刑務所で懲役刑に服役している受刑者が、社会復帰のために必要な職業技術などを身につけるために行われている刑務作業、この作業で作られた製品のことです」

その技術を習得することが大きな目的とすると、出所後の再就職にも役立ちます。

後藤「更生社会復帰へ向けて自分の技術を身につけておくわけです」

月4,000円の報酬

後藤「全国75カ所に刑務所とか、刑事施設があって、およそ4万人近い受刑者がこの刑務作業で製品を作っています。

普通の労働者と同じように、土日祝日をのぞく、平日朝8時から5時までの約8時間、途中昼食と休憩をはさんで働きます」

報酬はどうなっているのでしょうか?

後藤「報奨金として月4,000円程度が支給されます。作業に応じていますから前後しますが。
原則として懲役中に月4,000円を貯めておいて、出所時に支給されます。中には家族に仕送りしたりする人もいます」

木工加工品など様々

「作業」で作られるものはどんな種類があるのでしょうか?

後藤「木工加工品、金属加工品、革製品、洋服の仕立て、日用雑貨などさまざまな作業があります。

受益者の年齢、適正に応じて、各分野に振り分けられます。中には民間企業から受注を受けて生産されているものもかなりあるそうです。

囲碁の盤、将棋の盤、祭りの神輿などの、高度な技術を要する工芸美術品を作っている刑務所もあります。

専門の技術員が全国600人ほど配置されていて、きめ細かく技術指導しながら作るので、レベルや製品の質はかなり高いと人気です」

刑務所作業製品を買える場所

刑務所には展示販売コーナーという刑務所作業製品を買える場所があります。

後藤「他に刑務所自体がイベントとしてそれぞれの地域のショッピングモールとか文化会館などで『矯正展』というタイトルで、即売イベントを随時開催しています。

またインターネットにも、公益財団法人矯正協会というところが運営しているオンライン公式ショップもあって、そこはいま人気の洗剤などを扱っています」

価格は一般的には民間企業の半額程度で、お値打ちなところも人気です。
安さの理由は、人件費がかかっていないところにあるとのこと。

後藤「『矯正展』は家具、木工家具などは品質がよくてお値打ちで買えるということで人気があるそうです」

社会復帰支援につながる

刑務所ではこうした作業を通じて、受刑者の社会復帰をサポートしていますが、課題もあるといいます。

後藤「なぜ社会復帰支援が重要かというと、日本の犯罪件数の6割は再犯者による犯罪です。その時に仕事がなかったという人が70%も占めています。

再犯の理由のひとつにちゃんとした仕事に就けない、生活が苦しいということが背景にあります。受刑中にも、服役中にも、さらに社会へ復帰するための支援活動が重要だと言われています」

再犯を少なくするためにも、社会復帰しやすくするためにも、こういったことが刑務所の中で行われているのです。

後藤「『矯正展』などで家具を買いにくる人の中には、これを買うと、社会復帰支援に自分も参加できるという声も寄せられます」

意外なところで作られたモノが、割安で品質もよく、さらには買うことで社会復帰支援にもなるなら、一度検討してみるのもいいですね。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年07月18日07時20分~抜粋

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