多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

太古から伝わる「鏡」。まだ解けていない謎があった。

7月14日は「内視鏡の日」でした。これは「714(ナイシ)」という語呂合わせに由来しているそうです。


この日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が「鏡」をテーマに、さまざまなエピソードを紹介します。

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救急車の鏡文字

まず私たちを身を守ってくれるクルマの鏡について。

日本では長い間「フェンダーミラー」といって、ドアの横ではなくボンネットから横に飛び出した鏡がついていました。
ドアミラーよりも内側に付けられるため、日本の狭い道路には適していました。

また救急車の前方に書かれている「救急」という文字が左右逆になっている場合があります。これはバックミラー越しに救急車を見た時に正しく読めるように配慮されたもので、
「鏡文字」と呼ばれています。

ちなみに、かの有名な芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチや、『鏡の国のアリス』の作者、ルイス・キャロルは、鏡文字を書くのが得意だったそうです。

鏡の語源

「鏡」の語源は諸説あるようですが、有力なのは影を見る「かげみ」からとされています。

人類で初めて自分の姿を見たのは、鏡を使ってではなく水面かもしれません。
そして自発的に道具を使って映そうと思うようになり、金属や石を磨いて映し、やがて今のような鏡が生まれたそうです。

大昔は自分の姿が映るのは神秘的で不思議な現象と思われており、鏡は宗教や神話などにも数多く登場しています。

また、人を映す鏡とは逆側に模様を彫っておいて、鏡に光を当てることで反射して、壁側にその模様を浮かび上がらせることができます。
これを「魔鏡」といい、隠れキリシタンがマリア様を彫っておいて、表向きはわからないようにしておくという仕掛けにも使われました。

三面鏡など、自分の姿が何重にも映る「合わせ鏡」。
科学的には、どんなに良い鏡でも反射率が100%には届かないため、無限に映ることはなく、あるところで見えなくなるそうです。
実際には何人ぐらい映るものなのでしょうか。

お手本の場合は「鏡」ではなく「鑑」

鏡は左右反対に映りますが、上下逆さには映りません。
鏡の中では左右が反対に見えることを「鏡映反転」といいますが、実はこの現象には明確な答えが出ておらず、昔から哲学者やさまざまな学者が謎に取り組んでいるそうです。

「あの人は〇〇のかがみだ」などと、手本や模範として使われるかがみは、「鏡」ではなく「鑑」という文字が当てられます。

歴史書でも『大鏡』『今鏡』『水鏡』『増鏡』というものがあり、昔の人をお手本にして、これからの世の中を考えようというものとなっています。

最後に石塚は、「知恵があって判断能力がある人のことを『知恵の鏡』というんですけど、これはくもりやすいので、日々磨いていただきたいと思います」とまとめました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年07月14日07時20分~抜粋

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