多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

従来の殺虫剤が効かない!増加する「スーパートコジラミ」の駆除方法は?

7月10日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、「スーパートコジラミ」の話題を取り上げました。トコジラミは、その昔は「南京虫(ナンキンムシ)」と呼ばれていた虫です。

強力な殺虫剤が普及したことから、日本では1970年代にはほぼ姿を消したとされていたトコジラミ。なぜか今、殺虫剤が効かない「スーパートコジラミ」として増加傾向にあるというのです。

兵庫医科大学の皮膚科学教授の夏秋優先生に話を伺いました。

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トコジラミに刺されると?

トコジラミの成虫の大きさは約5mm。こげ茶色で、平べったい体をしています。
卵からかえったばかりの幼虫は1~4mmで、大きさには幅があります。

トコジラミという名前ですが、シラミの仲間ではなく「カメムシ」の仲間。寝床によく現れるため、トコジラミという名前がつけられました。

人の皮膚から吸血をするときに、トコジラミは「唾液腺物質」を注入します。これが人間の身体には異物となるため、そのアレルギー反応で皮膚にかゆみ、赤み、ブツブツが出てしまうというわけです。

このアレルギー反応は「何回刺されたか」によって個人差があります。最初の3回くらいまでは刺されても一切反応が出ません。しかし、何度か刺されるうちに身体がこの唾液腺成分を覚え、免疫反応が起こります。

症状は腫れを伴う赤みと、激しいかゆみ。夜も眠れないぐらい悩まされることが、しばしばあるそうです。

殺虫剤が効かない!

トコジラミは昼間、寝室の壁の隙間や柱の割れ目、寝具や畳の裏側に潜んでいます。夜になると寝ている人から出る炭酸ガスなどの誘引物質を察知して、隠れ家を抜け出し、人間の身体の露出部からどんどん血を吸って、また戻っていきます。

朝、起きた時にはトコジラミの姿はどこにもないため、自分が夜中に刺されていることに気付かない方も多いといいます。

殺虫剤の普及で一旦はいなくなったトコジラミ。最近は世界レベルで増えてきています。この最も大きな理由は、従来の殺虫剤が効かない「殺虫剤抵抗性トコジラミ」に変化したことが挙げられます。

通常の害虫を駆除するために使われるピレスロイド系の殺虫剤が全く効かないことから、「
トコジラミを遥かに超える次なるトコジラミ」という意味で「スーパートコジラミ」と呼ばれています。

トコジラミをおびき出す「ウソ寝作戦」

インバウンド、海外・国内旅行の増加により、荷物にまぎれたトコジラミを自宅や宿泊地に持ち帰っている場合があります。人の移動とともに、トコジラミはあちこちに運ばれてしまっているのです。

トコジラミが自宅に住み着いているかどうかを確認する場合、夏秋先生によると「ウソ寝作戦」が有効だといいます。電気を消して人間が寝た状態になると、トコジラミは血を吸うために出てきます。

なるべく肌を出して誘引物質を出す状態で、電気を消します。そのまま30分待ち(スマホの使用はOK)、パッと電気を付けます。もしそこに1匹でも見つけたら、「この部屋にはかなりの数のトコジラミがいる」という証拠になるそうです。

有効な殺虫成分は?

以前の殺虫剤は効かないスーパートコジラミですが、効果がある殺虫剤が登場しています。

通常のピレスロイド系ではなく、プロポクスルまたはメトキサジアゾン、ブロフラニリドこの3つの成分のいずれかが含まれた殺虫剤が有効です。

使用上の注意をしっかり読み、それに従って使うことで、トコジラミを徐々に減らすことができます。

もしトコジラミに刺されてしまってかゆいブツブツが出ても、慌てる必要はありません。市販の虫刺されの塗り薬で、1週間程度で治るそうです。
(minto)
 
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2023年07月10日07時15分~抜粋

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