多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

人体の不思議。「温泉に入った後はよく眠れる」って本当?

「お風呂に入ってから寝ると、ぐっすり眠れる」という話をよく聞きます。では普通のお風呂ではなく温泉の場合はどうなのでしょうか?

7月6日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、温泉と睡眠について調査研究をしている、秋田大学理学療法学講座 准教授の上村佐知子先生に話を伺いました。

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入浴するとよく眠れる理由

なぜ入浴するとよく眠れるようになるのでしょうか?

人間には24時間サイクルの体温のリズムがあり、活動中は体温が高く、就寝中は低くなります。睡眠リズムは体温リズムの影響を大きく受けていて、体温が下がると眠くなり、体温が上がると眠気が覚めてしまうのです。

入浴で体温が高まると、その反動で一気に手足から放熱してポカポカしてきます。
この時の体温の急下降で眠気が生じ、さらに朝方の体温がより低くなることで「熟眠感」が得られることがわかっています。

この体温は、身体の表面の体温ではなく、内臓や脳、直腸などの内部の体温「深部体温」です。

4パターンで検証!

上村先生は、塩化物泉、人工炭酸泉、普通のお風呂に入ってから寝た場合、そして入浴をせずに寝た場合の4パターンで実験を行いました。
最もよく眠れたのは、どのパターンだったのでしょうか?

結果は、塩化物泉と人工炭酸泉がトップ。
ただ、塩化物泉では主観的に疲労感が見られたため、「人工炭酸泉が良好」という判断に至ったそうです。

いずれにしても、普通のお風呂より温泉に入った後の方が、いい睡眠がとれたということです。

睡眠薬に頼らずに眠れる方法

上村先生が以前病院に勤めていた時、睡眠薬を処方されている高齢者の方が多かったそうです。
転倒などの副作用が残ってしまう患者さんをたくさん見てきたことが、この研究を行った理由のひとつだといいます。

「睡眠薬に頼らずに眠れる方法を探したい」と思っていたところ、「入浴で睡眠が改善する」という論文を見て、さらに患者さんの「入浴日にはよく眠れる」という話を思い出し、さらに温泉で調べようと実験を行ったそうです。

脳波や体温計を使ってエビデンスを探ることで証明したいと考えていたとのことです。

入浴剤でも効果あり?

入浴剤も睡眠に効果があるようです。
これまで何種類か入浴剤を試したところ、炭酸系の入浴剤やバスソルトはよい傾向が見られたそうです。

40℃以上では自律神経が興奮してしまうので、40℃以下のお風呂にゆっくり入るのが良いとのこと。

そして、もうひとつのポイントは入浴する時間帯。

体温の下がり方のグラフを見ると、睡眠の「2時間前」の入浴では、体温の下がり方と深夜の体温の下がり方がつながるような曲線が出ていたといいます。

寝る直前の入浴はアリ?

つまり23時に寝ようと思ったら、9時にお風呂に入るのがベスト。しかし忙しい毎日の中で、寝る時間から逆算してお風呂に入るのは難しいことです。

その場合は、寝る直前の入浴になってしまっても「構わない」と上村先生。

「暑くて寝にくくなければ、そのまま体温が下がって良い睡眠が得られるので、入らないよりは、入った方が絶対良い」というお話でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年07月06日07時20分~抜粋

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