多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

意外!実は賢いナメクジ

家庭菜園で野菜を作っていると、思わぬところにナメクジやかたつむりがいて、野菜と一緒にそのまま食べてしまいそうになったりします。特にこの梅雨のシーズンよく見かけるものです。

7月4日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、ナメクジに詳しい福岡女子大学の教授の松尾亮太先生に話を伺います。

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ナメクジとカタツムリ

まず分類学上、ナメクジはどういう生物なのでしょうか?

松尾「分類上は巻貝の仲間です。貝でも二枚貝ではなく、サザエ、タニシ、カタツムリと同じで、その殻が退化したものです」

ナメクジは陸に住んでいる陸生の巻貝の一種です。
殻がまだ退化していないのがカタツムリで、すっかり退化してしまったのがナメクジです。
体長はおとななら4cm~6cmくらいです。

ナメクジは主にどこに生息しているのでしょうか?

松尾「いろんなところですが、生きた植物がないとダメです。それにある程度湿ってないと、乾燥したところはダメです」

とにかく生きた植物があり、湿気のあるところ。言われてみれば、ベランダでプランターに植物を植えていると近くにいたりします。

共食いもする

植物の近くで見かけるナメクジ。主食は何でしょうか?

松尾「なんでも食べます。動物の死体、実、果実が大好きです。共食いもします。研究室で何千匹も飼っているので、歳をとって弱ってきたナメクジは若いものに食べられたりしますね。

歯があまりバキバキ食べられるような歯ではなく、削って食べるような歯をしているので、やわらかいところだけ食べられるようなものなら何でも。哺乳類でもいけます」

つまり雑食性です。主に植物の葉、せっかく家庭菜園で作った葉も食べられたりします。

どこで繁殖する?

どんな方法で繁殖するのでしょうか?

松尾「ナメクジも卵を産みます。産む場所は乾燥しないようなところです。孵るまでには20日程度かかりますが、その間にカリカリに乾燥してしまうとダメ。陽の当たらない葉の陰、野外なら植木鉢と土の隙間などに、目立たないように産んでいます。

大きさは直径2mmくらいです。大きなナメクジだと何十個と産みますが、小さいものだと1、2個しか産みません」

ナメクジが塩で死ぬ理由

ナメクジが通った跡にスジを発見することがありますが、あれは何でしょう。

松尾「身体の表面が粘液に覆われていて、ナメクジが這ったあとは粘液がスジとなってつきます。大部分が糖で水をたくさん含むような粘液です。

いろんな役割がありますが、ひとつは生体防御的な働きをしていて、外敵、バクテリアなどが侵入してこないように身体の表面を守る働きをしています。あとは、どこかに接着する、張り付くために必要です」

塩をかけられたナメクジが縮むのを見た方は多いと思いますが、実際に塩で退治できているのでしょうか?

松尾「表面が濡れていますので、かけた塩はそれで溶けて高浸透圧な液体になります。なので細胞の中の水が外に出て、水を失って死にます。
すごく濃いものをかけたあと、すぐに水で洗ってやっても死ぬことが多いです」

ナメクジは賢い

実は松尾先生は神経生物学研究室でナメクジの脳を研究しています。
先生によれば実はナメクジは賢いそうです。

松尾「学習能力が結構あります。賢いことが農作物に対する被害を大きくしているのだと思います。

よく何かの匂いで誘引してそれを食べたら死ぬという駆除剤がありますが、何を食べたらいいかを学習します。

例えばイチゴを1回食べておいしかったら、イチゴばかり食べます。
その横に魅力的な匂いのする農薬的な駆除剤を置いてもイチゴの方に行くとか。そういう覚える能力はやっかいなところです」

脳で光を

そして驚くべきことに、ナメクジは脳で直接光を感じることができるそうです。

松尾「ナメクジの目は触覚の先に1個ずつついています。
たとえ目が切られても、ちゃんと暗いほうに行きます。どうも脳で光を直接感知していて、自分が暗いところにいるか明るいところにいるかわかります」

まとめると、ナメクジは巻貝の一種で殻がすっかり退化してしまったもの。
殻がなくなったことからどんな狭いところに侵入でき、さらには明暗を脳で判断できる生き物なのです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年07月04日07時19分~抜粋

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