多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ジャガイモの天然毒素で集団食中毒が発生!保管時、調理時の注意点は?

今月、東京都日野市の小学校の調理実習でジャガイモを食べた児童20人が吐き気や腹痛を訴え、集団食中毒になったというニュースがありました。
これはジャガイモに含まれる有害物質「ソラニン」によるものとされています。

6月29日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、この「ジャガイモの毒」について、愛知県保健医療局生活衛生部生活衛生課の伊藤さんに話を伺いました。

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ジャガイモ毒の解毒剤はない

ジャガイモには、天然毒素の一種である「ソラニン」や「サポニン」といった有害物質が含まれています。

この有害物質の多くは皮または芽、そして未熟なジャガイモに多く含まれていて、大量に摂取すると食中毒になります。食後数分から半日にかけて、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状や、めまい、頭痛などを引き起こします。

伊藤さん「ジャガイモの毒素の解毒剤はありませんので、重症の場合に死に至ってしまうこともあるというふうに報告されています」

普段からよく口にすることの多いジャガイモですが、その毒素は場合によってはかなり怖いものであるようです。

ジャガイモの保管場所

このジャガイモの毒を防ぐには、どのようにすればよいのでしょうか。

「ソラニン」と「サポニン」は光に長時間当たることで毒素が増えるため、光が当たらない、風通しの良い、涼しい場所で保管する必要があります。

弱い光でも長期間光に当たると毒素が増えてしまうので、保管場所はできるだけ暗いところが良いということです。

時々、ジャガイモの皮の表面が緑色に変わっていることがありますが、この部分に必ずしも毒素がたまっているというわけではありません。

伊藤さん「ただ、緑色になっているということは、光がよく当たっていたと考えられますので、食べるのは避けていただいた方がよろしいかと思います」

用心するに越したことはないということです。

皮付きのポテトは?

では、ジャガイモを調理するときにはどんな点に注意すべきなのでしょうか。

まずは「芽が出ないうちに食べ切る」「芽をしっかり取り除いた上で、皮を厚く剥く」ということ。そして自家栽培の場合は「小さいものではなく、しっかり大きくなったジャガイモを収穫して、その際に傷がつかないようにする」ということが大切です。

これらの点に気を付けることで、ジャガイモの食中毒の予防につながります。

お店で見かける皮つきのポテトは、農家の段階から光を当てない管理をしているので、毒素は発生しないということです。

光を浴びたジャガイモは要注意!

家庭菜園や学校の畑で光をたくさん当てて作った、または保存中に多くの光を浴びたジャガイモは注意が必要です。

日野市の小学校のケースでは、担当の教諭が購入したジャガイモを日光が当たる場所に保管していたことで、「ソラニン」が発生しやすくなったとされています。

学校の調理実習などでときおり食中毒が起こるのは、こういった背景があるとみられています。こどもたちの安全のためにも、しっかりとした管理が求められます。
(minto)
 
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2023年06月29日07時21分~抜粋

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