多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

脳のしくみからわかった!合理的に怒りを抑える方法

社会生活を営む上で避けて通れないのが、人との関わりによって受けてしまうストレスです。

このストレスですが、実は脳のしくみを理解することで解消できるそうです。

6月23日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、自然科学研究機構生理学研究所名誉教授の柿木隆介先生が、ストレスの解消法について解説しました。

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人と関わるとストレスは避けられない

柿木先生は前提として「人との関わりでは必ずストレスを生む」と語りました。

というのも、異質なものとの接触は100%ストレスを生むためで、例えば「ごく近い家族なら自分と同じことを考えているだろう」と思っても、一部では違うということに気づくとストレスが強くなるそうです。

そのため、最初から「他人と自分とは違う」ということを自覚すると、やや寂しくは感じるものの、かなり楽になるようです。

さらに脳のしくみを知ると、自分がなぜイライラしているのか、妬んでいるのかなどを冷静に分析できるため、かなり合理的に悩みが解消できるというわけです。

怒りを抑える働き

脳の中心には脳幹という呼吸や食欲、心臓を動かすなど生きる上で必要なものがあり、その周りに怒りなどの感情をつかさどる大脳辺縁系があります。

辺縁はへりという意味ですが、人間の大脳辺縁系は発達しているため、脳の中心的な部分を占めるようになっています。

動物の場合、外から攻撃されると大脳辺縁系が活動し、普段よりも強い力を発揮することがありますので、生きるためには大切な働きといえます。

しかし人間の場合、イラッとして大脳辺縁系が頻繁に活動すると、社会生活には支障をきたします。

つまり大脳辺縁系の活動を自ら抑えると怒りが収まり、ストレスがやわらぐことになりますが、柿木先生によれば「人間はそのように発達してきた」とのこと。
脳の前の方にある前頭葉が人間は発達していて、そこで怒りなどの抑制をかけているのです。

思わず怒りそうになったら

前頭葉が働くと怒りは抑制されてストレスは起きないはずですが、最大の問題は怒った時に大脳辺縁系が活発になりアドレナリンが大量に出た場合、前頭葉側で抑えるには時間が必要ということです。

昔からアンガーマネジメントという考えで「怒りが沸き上がった時は、5、6秒数えると抑えられる」というルールが知られていて、これは経験則に基づいたものですが、実は前頭葉の働きに時間がかかるという点で、脳のしくみとしても理にかなっています。

この他にも怒りを抑える方法として、怒った時には深呼吸を3回すると良いそうです。
アメリカの小学校では授業で教えているそうです。

深呼吸をすると5、6秒経つということもあるのですが、深呼吸によって自律神経が集中している横隔膜をかなり動かすことで、自律神経が活発になり、前頭葉が活動しやすくなるとのことです。

柿木「ただし問題は、上司から叱られてムッとした時に目の前で深呼吸をやったら、よけいに火に油を注ぐので、社会生活の中ではやりにくいんですよね。

僕がだいたい教えるのは、後ろを向いて咳をしなさいと。
咳をすると横隔膜が動くので、深呼吸と似たような効果があるんですよ」

ただ、あまり嘘すぎる咳はさらに相手を怒らせるかもしれませんので、咳の練習をしておいた方がよいかもしれません。

怒りが続く場合は

先程紹介したのは瞬間的な怒りへの対処でしたが、持続的な怒りを鎮めるにはどうすれば良いのでしょうか。

1つは自分で自分を褒めることで、1日の終わりにお酒など飲みながら「あんなことがあったのに、今日自分はよくがんばった」と褒めること。

なかなか人から褒められることはないため、自画自賛するだけでも快楽中枢が刺激されて効果があるそうです。

あとはなぜ相手が怒ったのか、自分はどうすべきだったのか、自分は本当は何を言いたかったのに言えなかったのかを書き留めるのが良く、場合によっては他人の悪口でも良いそうです。

書いているうちに前頭葉が働き、分析をすると落ち着いてくるそうですで、人にもよりますが、日記はストレス解消やポジティブな気持ちになるのに効果的なようです。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年06月23日08時09分~抜粋

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