多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ひとり目のこどもはなぜ「太郎」と名付けられたのか?

6月16日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「太」の文字が話題になりました

最近のニュースでよく「骨太の方針」という言葉が聞かれますが、これは「経済財政運営と改革の基本方針」のことで、政府は16日に閣議決定しました。

その「骨太の方針」から、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、さまざまな「太い」にまつわる情報を紹介しました。

[この番組の画像一覧を見る]

太っていることが自慢?

「太」という文字からすぐに思いつくのは体型。もともと「太い、細い」は直径の長さのことを指しています。
そのため、身体の直径が長いことを「太っている」と表現します。

現在太っていることは毛嫌いされる傾向にありますが、19世紀までの欧米では、肥満はむしろ「富の象徴」として自慢する傾向にありました。

お金があるからおいしいものがたくさん食べられる、たくさん食べられるから太るという図式で、裏を返せば、一般の人はそれほど食べられなかったということになります。

やがて先進国の食糧事情が良くなると、体型は「富の象徴」とはならず、見た目にかっこよく健康的という理由から、細い体型が好まれる傾向になったようです。

「太い」の言葉の不思議

太いのは直径が大きいことを指しますが、「太い線」など、線状のものの幅が広いことも「太い」という表現をします。

また、形以外でも「太い」という表現が使われます。
よく響く声のことを「太い声」といったり、大胆で度胸のあるキャラクターのことを「肝が太い」、さらにそれが失礼なイメージになると「図太い」と言ったりします。

同じように失礼な態度を取るのに「ふてぶてしい」と言いますが、これは漢字で「太々しい」と書きます。

太いの反対は「細い」ですが、不安になる様子の「心細い」の対義語は「心強い」です。「心太い」ではありません。

ちなみに「心太」は夏の風物詩でもある「ところてん」です。

漢字の話でもうひとつ石塚が紹介したのは、大きいの反対は小さいで、両方表す単語は「大小」、長い短いは「長短」です。
ところが太い細いは「太細」とはいわず、代わりの単語は見当たりません。単純に対の関係ではなさそうです。

「太」という漢字の意味

「太」という漢字はさまざまな意味を持っています。
代表的なのは「大きい」という意味で、「太陽」などがそれにあたります。
ただし、小学生の書き取りテストでは「大」との違いで間違えやすい用法でもあります。

他にも、実家が裕福なことを最近「実家が太い」と言われるようになっており、こちらも「大きい」という意味で使っているようです。

「非常に」という意味の「太」を代表する言葉は「太平洋」。これは非常に穏やかな海という意味です。
一方で大西洋は西にある大きな海ということで「大」ですので、こちらもテストで紛らわしいタイプの問題です。

そして「太」には「大元(おおもと)」という意味もあります。
こどもの名前で一郎、二郎、三郎と付けるのは数字でわかりやすいのですが、太郎、次郎、三郎と付けるのは、ひとり目が大元ということで「太郎」と付けられるわけです。

さらに「太」には「尊い、偉い」という意味もあり、こちらは「太閤」や「太政大臣」などに使われています。

大きな木のことを「巨木」といい、大きくて立派な木だと精霊が宿る、御神木ともいわれますが、これは高い木よりも幹の太い木でよく使われます。

最後に石塚は「無理に背伸びをするよりも、中身が詰まっているなら太いのもいいんじゃないか」とまとめました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2023年06月16日07時22分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報