先日、OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどで構成されるOPECプラスが、石油の減産を2024年末まで延長すると発表しました。
石油の生産を減らすと、さまざまな物価の価格にも影響を及ぼすため、世界的にも大きなニュースと言えます。
6月14日放送、『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、石油の価格決定に関する歴史を振り返りながら、世界全体の安全にまで与える影響について解説しました。
OPECプラスが石油減産の動き…実は世界の安全保障との関連が
OPEC設立の理由
話は1930年代、戦前にまでさかのぼります。
当時はアメリカやイギリス、オランダのメジャーといわれる7大会社が石油の供給を牛耳っていて「セブン・シスターズ」と呼ばれていました。
ただ油田自体は中東にあり、戦後になると中東諸国は「なんで自分たちの油田が欧米に支配されなければならないのか?石油が武器になるのではないか」と目覚めるようになりました。
そこで対抗するために産油国が団結し、OPECを1960年(昭和35年)に結成しました。
産油量を調節することで価格を調節すれば、世界的な力を持てるのではないかと考えたわけです。
当時はアメリカやイギリス、オランダのメジャーといわれる7大会社が石油の供給を牛耳っていて「セブン・シスターズ」と呼ばれていました。
ただ油田自体は中東にあり、戦後になると中東諸国は「なんで自分たちの油田が欧米に支配されなければならないのか?石油が武器になるのではないか」と目覚めるようになりました。
そこで対抗するために産油国が団結し、OPECを1960年(昭和35年)に結成しました。
産油量を調節することで価格を調節すれば、世界的な力を持てるのではないかと考えたわけです。
原油価格が一気に上昇
1970年頃の1バレル当たりの原油価格は2、3ドル。
ちなみにバレルという単位は約159リットルですが、これはかって樽で石油を運んでいたため、その樽の容積から来ています。
現在はだいたい70ドルぐらいですので、いくら昔は物価が安かったからといっても、これは安すぎですね。
そして値段があがるきっかけとなったのは中東戦争が勃発。
OPECが力を持ってきたこともあり、価格は一気に4倍に跳ね上がりました。
これが1973年(昭和48年)に第一次オイルショックを引き起こし、石油資源を持たない国に大打撃を与えました。
日本では店頭からトイレットペーパーが消えた騒動で有名ですね。
その後、1979年(昭和54年)に第二次オイルショックがやってきます。
この時はイラン革命やイラン・イラク戦争などによるものでしたが、1バレルは30~40ドルと、さらに価格が上昇しました。
ちなみに原油価格の史上最高値は、2008年(平成20年)の1バレル147ドル。
当時は世界的な金融緩和によりお金が余った状態となり、投機目的で原油を買う動きに加え、経済的に成長を遂げてきた中国が大量の石油を必要としたため、原油価格が高くなってしまったのです。
ちなみにバレルという単位は約159リットルですが、これはかって樽で石油を運んでいたため、その樽の容積から来ています。
現在はだいたい70ドルぐらいですので、いくら昔は物価が安かったからといっても、これは安すぎですね。
そして値段があがるきっかけとなったのは中東戦争が勃発。
OPECが力を持ってきたこともあり、価格は一気に4倍に跳ね上がりました。
これが1973年(昭和48年)に第一次オイルショックを引き起こし、石油資源を持たない国に大打撃を与えました。
日本では店頭からトイレットペーパーが消えた騒動で有名ですね。
その後、1979年(昭和54年)に第二次オイルショックがやってきます。
この時はイラン革命やイラン・イラク戦争などによるものでしたが、1バレルは30~40ドルと、さらに価格が上昇しました。
ちなみに原油価格の史上最高値は、2008年(平成20年)の1バレル147ドル。
当時は世界的な金融緩和によりお金が余った状態となり、投機目的で原油を買う動きに加え、経済的に成長を遂げてきた中国が大量の石油を必要としたため、原油価格が高くなってしまったのです。
OPECの方針がまっぷたつ?
原油を減産することで価格を維持したいというのが、最近のOPECの思惑ですが、実はこの方針は一枚岩ではないようです。
サウジアラビアを中心とする中東は減産したい一方で、ロシアは現在経済制裁を受けているため、とにかく売りたいという状況。
一方、アメリカでは現在「シェールオイル」という岩盤から原油を取り出す技術を開発し、今や石油輸入国ではなく輸出するまでに至っています。
石塚「何が興味深いかというと、アメリカは中東への関心がなくなっちゃったんです。
中東から原油を買ってる時はすごく大事だったんですけど、今はちょっとどうでもいいや感があったりすると、そこへ中国が手を入れるんです」
それが先日のサウジアラビアとイランの外交正常化において、仲介役として中国が一役買っていることにつながっているようです。
今後、シェールオイルや再生可能エネルギーの台頭によって石油の需要は減る可能性はあり、石塚委員は「今のうちに稼いでおきたいと、中東は焦っている」と語りました。
ただ、石油は最も重要なエネルギーであり、石油が世界の安全保障地図を動かしているという状況はまだまだ続きそうです。
(岡本)
サウジアラビアを中心とする中東は減産したい一方で、ロシアは現在経済制裁を受けているため、とにかく売りたいという状況。
一方、アメリカでは現在「シェールオイル」という岩盤から原油を取り出す技術を開発し、今や石油輸入国ではなく輸出するまでに至っています。
石塚「何が興味深いかというと、アメリカは中東への関心がなくなっちゃったんです。
中東から原油を買ってる時はすごく大事だったんですけど、今はちょっとどうでもいいや感があったりすると、そこへ中国が手を入れるんです」
それが先日のサウジアラビアとイランの外交正常化において、仲介役として中国が一役買っていることにつながっているようです。
今後、シェールオイルや再生可能エネルギーの台頭によって石油の需要は減る可能性はあり、石塚委員は「今のうちに稼いでおきたいと、中東は焦っている」と語りました。
ただ、石油は最も重要なエネルギーであり、石油が世界の安全保障地図を動かしているという状況はまだまだ続きそうです。
(岡本)
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