多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

減塩はなぜ必要?摂りすぎると怖い「塩」の話

先日、厚生労働省が日本国民の健康づくり運動「健康日本21」を発表し、さまざまな数値目標を挙げました。その中のひとつが「減塩」です。

これまで「10.1g以下」とされていた1日当たりの食塩摂取量が「7g」に減少。しかし調査結果によると、現状では「約12g」摂取しているようです。

6月12日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、日本高血圧学会の減塩・栄養委員会の委員で、日下医院 院長の日下美穂先生に話を伺いました。

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塩の重要な役割

まずは、人間の身体における塩分の役割について。

「塩がなくては人は生きていけません」と日下先生。塩は人間の身体にとって非常に大切ですが、それはほんの少しだけだといいます。

もともと動物は海など塩水の中で暮らしていたので、身体の中に自由に塩分を取り込めていました。自律神経や身体の中の水の出入りをコントロールし、心臓や腎臓に負担がかからないような生活ができていたのです。

しかし陸に上がってきた頃から、身体の中に塩がなくなってしまうため、身体に塩を溜め込めるような仕組みができたそうです。

日下先生「特に水の出し入れですね、取った水は全部出して、身体の中の水分とか血圧とか、そういうことを維持して生きていけるようにしたわけなんです」

塩を摂りすぎると?

では、塩分を摂りすぎるとどうなってしまうのでしょうか。

塩分を過剰に取ると、その分身体の中に水がたくさん溜まります。水を保持してしまうと、余分な水が特に血管の中に溜め込まれて、血管の壁を中から押し、血圧が高くなります。これによって血管の内皮が傷つき硬くなり、分厚くなって詰まるようになってしまうのです。

これが「動脈硬化」。脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎不全を引き起こす要因です。

日下先生「命に関わる重要臓器に、全て負担がかかるということになりますね」

人の身体にとって、塩分の取り過ぎは本当によくないということがわかりました。

減塩のポイントは「調味料」

それではいよいよ本題です。塩分の摂取量を減らすためには、どうするべきなのでしょうか。ポイントは「調味料」のようです。

醤油や味噌などの日本人が特によく使う調味料は、塩分が非常に多く入っています。ドレッシング、ポン酢にもかなりの塩と醤油が。ケチャップやマヨネーズも、少量ではありますがやはり塩が含まれています。

日下先生「ドレッシングやソースには、とにかく塩がいっぱい入ってると思って注意しないといけないですね」

日本人が摂取する塩分の50~70%は、調味料から摂っているというデータがあります。
味付け、つまり普段の生活から塩分の過剰摂取に気を付ける必要があるということです。

食習慣の積み重ねが大切

日下先生「大人になって急に減塩しようと思っても、こどもの頃からの習慣なのでなかなかできません」

大人になると高血圧などのいろいろな病気になりますが、実はこれは「こどもの頃からの食習慣の積み重ね」。こどもの頃から減塩食の習慣を付けることが最も大切だといいます。

日下先生「学校給食などで減塩するとよいと思います」

とはいえ、味は“慣れ”。入院経験のある多田いわく、「病院の肝臓食はめちゃくちゃ薄味」なんだそう。

「先生、こんな薄味は食べられません!」と毎回ぼやいていた入院患者が、1週間も経つとすっかりその味付けに慣れて、おいしく感じることもあるんだとか。

「あきらめずに、ちょっと薄味に切り替える。少しすれば慣れるもんだよ、ということで切り替える。これも大事なんだそうですよ」と、まとめた多田でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年06月12日07時23分~抜粋

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