多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

トビウオの不思議。なぜ、どうやって、どのくらい飛ぶの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

6月8日の放送では、「トビウオ」の生態について取り上げました。
トビウオはなぜ、どうやって、どのくらい飛んでいるのでしょうか。

[この番組の画像一覧を見る]

大きな胸びれが翼に

「本当に飛ぶんですよね?」と半信半疑の多田ですが、トビウオは実際に飛んでいます。まずはその飛び方から。

トビウオが飛ぶ時は、まず表層(海面直下)を一生懸命全力で泳ぎます。トビウオの尾びれは上の方が短く下の方が長いので、体が浮いても尾びれの下側はまだ水の中にあります。

木村先生「そこで最後踏み切るっていいますかね。4~5回左右に振って、それから飛び出します」

飛んでいる時は滑空(グライダー)状態。大きな胸びれを広げ、それを翼にして飛ぶそうです。

鳥のように羽ばたかない

トビウオはとても種類の多い魚ですが、ほとんどのトビウオは胸びれだけでなく、腹びれも大きいため、左右前後の4枚の羽を全力で広げて滑空しているといいます。

加藤「へー!4枚も羽がついてて、それを一生懸命パタパタパタパタ…」

木村先生「パタパタはしません。滑空だけです、グライダー。鳥のように羽ばたくことはありません。全力で助走して飛び出して、滑空するということですね」

上の方からトビウオが飛ぶ姿を見ると、ひれ4枚を大きく広げている状態。まさに大きなグライダーが滑空している様子に見えるようです。

滑空するための進化

トビウオは、滑空するために進化した魚。水の中でずっと暮らしている魚に比べて体は軽く、骨も弱く、消化管も小さいといわれているそうです。

そこまでして飛ぶトビウオ。では一体、何のために飛ぶようになったのでしょうか。

木村先生「まずは敵(捕食者)から逃げるために、空中に飛ぶ、逃げるという行動をとる。それが進化して、トビウオにつながっていくのではないかと考えています」

空中を滑空している方が、水中を逃げるより速いということのようです。

最大400mのジャンプ

それではトビウオは、どのくらいの距離を飛ぶことができるのでしょうか?

木村先生「最大で400m弱ぐらい飛んでます。ただ途中でやっぱり落ちますよね。落ちるとほとんどの場合は飛び上がって、100mか200mぐらいが普通だと思うんです」

船からよくトビウオを見ているという木村先生。ごくまれに、体を完全に水に入れず、尾びれだけ水の中に入れて、もう一度飛び立つトビウオもいるようです。

ピュードボンの繰り返し

加藤「滑空状態なので、フワ~っとしてるわけですよね?」

木村「むしろピューですね。ピューーーーーーってそんな感じ。10秒~20秒くらいが多いですね」

加藤「本当に短い間で、ピュードボン、ピュードボンを繰り返している」

トビウオは30種類ほどあり、大きいものから小さいものまでさまざま。大きくて羽の広いものはやはり飛ぶ時間も長いそうです。

「魚が400m飛ぶって、こいつすごいね」と、飛ぶために進化したトビウオに感心しきりの多田でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2023年06月08日08時29分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報