多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

気象予報士が解説!今年の梅雨がおかしい3つの原因

今年は10年ぶりに5月の梅雨入りとなり、日本各地で雨の被害をもたらしています。

特に2日から3日にかけては、活発な梅雨前線や台風2号の影響を受けて多数の線状降水帯が発生。
東海エリアでもひとりが亡くなったり、冠水などの被害があり、また東海道新幹線など多くの路線で運転見直しが発生しました。
事前に予報が行われていたとはいえ、多くの人々に影響を及ぼしました。


6月2日放送のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、気象予報士の資格を持つ沢朋宏アナウンサーが最近の梅雨に関する現象を解説しました。

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台風2号による影響

「梅雨に入ったばっかりですよね。なのに、どうして梅雨末期みたいな雨になってるんでしょうか?」(Aさん)

梅雨の末期にはある時間帯に激しい雨が降って、しばらく止んでからまた激しい雨が降るといった様子が見受けられます。
まさに放送日である2日にも激しい雨が降りましたが、沢は今回の現象について3つの原因を挙げました。

まずひとつ目の理由は、台風2号の存在。
2日朝の時点では台風2号は沖永良部島のあたりを進んでいましたが、沖縄あたりに台風があると、台風の東側、すなわち日本の南側ではずっと南風が吹き付けています。

この状況について沢は、「太平洋高気圧に暖かな空気が押し上げられているのとほぼ同じような状況となり、すなわち梅雨末期に近い」と解説しました。

温暖化の影響がここにも

ふたつ目の理由は、昔から問題視されている地球温暖化です。

温暖化によってベースとなる気温が上がります。そうすると、雨が降り始める寸前までの水蒸気量(飽和水蒸気量)が増えることになります。

気温が低い時、空気はさほど水蒸気を含めずにすぐに霧や水滴になるのですが、気温が高いとたっぷりの水蒸気を含み切ったところで雨粒になってしまうため、かなりの雨量となってしまうわけです。
しとしとと穏やかに降るのではなく、一気に大粒の雨になって落ちてくることになります。

地球温暖化によりいくつかの問題が発生するといわれていますが、短期間で激しい雨が降る現象もそのひとつ。

沢は「Sサイズのコップ(の中にある液体)をこぼしたんじゃなくて、メガサイズのコップをこぼした感じ」と例えました。

梅雨の入口ではない状況

そして最後が、そもそも今が梅雨の入口ではないということ。

沢「梅雨というのは、もともと大雨に対する警戒を呼びかけるものであり、今回の場合は台風2号による前線の大雨が予想されたので、『梅雨入りさせざるを得ない梅雨入り』ともいえるんですよね。

実際に前線もできてるし、これだったら梅雨入りと言ってもおかしくないというところがあったので発表をした、というところです」

この番組が放送されている東海地区の住民に大きな印象を残しているのが、2000年(平成12年)9月に起きた東海豪雨。
この時に雨を降らせたのは秋雨前線ですが、台風は奄美から沖縄あたりにあり、今回と似たパターンでした。

今回は東海地方はもとより近畿や四国、さらには東の静岡などでも大きな被害を出すことになりました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年06月02日08時04分~抜粋

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