多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

G7で注目、広島って実はこんな街だった

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の特集、「いい日旅立ち~日本の街からこんにちは」では毎回1つの街を取りあげ、魅力や特色などを紹介しています。

5月26日の放送のテーマは、先日のG7サミットが開催された広島市。

「実は広島って〇〇だった」という切り口で、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員が解説しました。

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路面電車が日本一

広島の街といって思い起こされるのが、路面電車が走っている風景。
実は広島は日本一の路面電車の街で、さまざまな日本一の記録を持っています。

広島市ではなく広島電鉄という民間企業が路面電車を運営していて、総延長35kmを超え、車両数は136両、1年間の乗降客数は約4千万人と、いずれも日本一の規模です。

中国・四国地方の中心にある広島駅ですが、なんと1日の乗降客数がJRと路面電車で変わらないというぐらい、多くの人が利用しています。

広島電鉄は1912年(大正元年)に開業しましたが、1945年(昭和20年)8月6日に原爆が投下されたことで全線が不通となりました。

しかし、わずか3日後には路面電車が再び街を走り始めました。
その際、男性乗務員は出兵していたため、10代の女子学生が運転していました。
原爆投下という悲惨な状況の中、日常生活のひとコマといえる路面電車の復旧は、当時の市民に希望を与えたと言われています。

その後、戦後はクルマ社会となり、路面電車を利用する人は減ってきたため、廃止の話も出てきましたが「なくしたくない」という市民の声の後押しがあり、現在も日本一の路面電車が走り続けています。

これだけ路面電車が定着しているからか、100万人都市には珍しく地下鉄がない街としても知られています。

日本のバームクーヘン発祥の地

広島のお菓子といえば、何といっても「もみじ饅頭」ですが、実は広島は日本のバームクーヘンの発祥の地でもあります。

大正時代にドイツのお菓子職人のカール・ユーハイムさんが、第一次世界大戦の際に捕虜として広島の収容所に入っていました。
そこで、同じ施設に入っている人たちにお菓子を食べさせたいと思い、施設の許可を得てお菓子を作ったそうです。

ユーハイムさんは収容所を出たあと、神戸で喫茶店を開き、収容所で焼いていたバームクーヘンなど手作りのお菓子を出して人気を得たそうです。

ユーハイムさんが亡くなった後にスタッフが洋菓子店を開き、今やよく知られている洋菓子メーカー「ユーハイム」として続いています。

2019年にはバームクーヘン伝来100周年を記念して、長さ20.87mのバームクーヘンを作ることに成功し、ギネス記録として認定されています。

世界平和への願いを示す折り鶴

また、広島は「折り鶴」を通じて、世界に向けて平和を発信している街でもあります。
折り鶴は平和を願う象徴として知られていますが、2016年に原爆ドームの東側に高さ50m以上となる「おりづるタワー」が完成しました。

原爆ドームはこれまで下から見るしかありませんでしたが、展望スペースに出ると下に向けて見ることもできるようになりました。

広島の街を一望できるだけではなく、遠くには宮島も望むことができるため、その景色を全世界の人々に見てほしいという思いから作られたそうです。

また、このビルの北側には高さ50m、幅4m、奥行き50cmの箱のような透明な空間があります。
これは「おりづるの壁」と名付けられていて、専用の折り紙を100円で購入し、折り鶴を折って12階にある投入口から落とすことで、箱の中に折り鶴が積み重ねられていきます。

折り鶴の積み重ねと平和への願いが積み重なることにつながっています。
7年間で83万羽ほど入っていて、今のペースでいけば、「おりづるの壁」はあと3、4年でいっぱいになって完成するそうです。
(岡本)
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2023年05月26日08時09分~抜粋

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