多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

真珠の原料に?タチウオの銀色の正体とは

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授の木村清志先生から魚に関する素朴な疑問や不思議を学ぶコーナーです。

5月25日の放送で取り上げたのは「タチウオ」について。
タチウオとはそもそもどういう生態の魚なのでしょうか?

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ナイフのような歯を持つ魚

タチウオは4月から10月が漁期の細長い魚で、中には体長2mを超える大きさのものも。刀の太刀(たち)に似ていることからその名がついたといわれています。

木村先生によると、通常は水深100mぐらいのところに住んでいる魚。群れで泳ぐ魚で「魚食性」が強い魚だそうです。

木村先生「“食い溜め”をする魚で、主に夜行性。でも昼間でも捕食はしています。狂暴というか魚食性で、タチウオの仲間は、歯が鋭い。本当にナイフのような歯ですね」

その歯の鋭さは、触るだけでスカッと切れてしまうほど。歯の強い魚は何種類かいるものの、タチウオはその筆頭だそうです。

小さい魚は一撃で即死

木村先生「本当に料理をするときは気をつけないと怪我します」

歯の強さは、魚を食べるため。小さい魚であれば一撃で即死してしまうといいます。

加藤「進化の過程で強くなっていったんですかね」

木村先生「魚食の程度が強いものほど、大体は歯が鋭く強くなってますね」

タチウオの歯の先端には、かぎ状の「戻り」が付いていて、一度刺さるとなかなか抜けません。噛み付いた魚が逃げられないような仕組みになっているということです。

立っているから「タチウオ」?

タチウオという名前は「刀の太刀に似ているから」という説のほかに、「海の中で立っているから」という説もあります。

木村先生「タチウオが群れになって、ほぼ垂直に頭を上にして泳いでいるシーンをビデオでよく見ます。もちろんそういう体勢でいる時もあるんでしょうけど、通常は横になって泳ぐと思います」

どうやら、タチウオは常に垂直状態でいるというわけではないようです。

エサを獲る時は横になって泳ぎ、エサを獲らない時は垂直になっているという説もあるんだとか。

潮の流れが穏やかな場所では、頭を海面に向けて立ち泳ぎをして、その状態で群れになることも。

「潮流によってタチウオが1ヶ所に流されてきた」「敵から逃げる際に身体に当たる光を目くらましにする」という場合もあるようです。

タチウオから模造真珠

タチウオといえば、そのキラキラ光る身体が印象的です。

木村先生「“グアニン”という銀色の細胞です。外からの光を反射してキラキラと光っています」

イワシ類、ヒラアジ類の銀色も、このグアニンが関係しています。これは、比較的水深の浅いところを泳ぐような魚が多いそうです。

木村先生「周りに溶け込む、いわゆる保護色のような役に立つ銀色。タチウオはもっと深いところにいるので、保護色としての銀色なのかどうかはわかりませんが、多分水の中でも保護になっているのではと思いますね」

昔は、タチウオの銀色の部分で「模造真珠」を作っていたそうです。貝殻を丸く削り、その周りにタチウオから取ったグアニンを塗り付けていたんだとか。

タチウオのキラキラは、真珠の美しさに匹敵するということのようです。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年05月25日08時32分~抜粋

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