多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

初ガツオと戻りガツオ。結局どっちがおいしいの?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

5月18日の放送では、カツオの生態について教えてもらいました。こちらでは「初ガツオと戻りガツオはどちらがおいしいの?」というテーマについて取り上げました。

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目には青葉 山ほととぎす 初鰹

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と江戸時代の俳人・山口素堂が詠んだように、「初ガツオ」の季節になりました。そして、秋に獲れるのが「戻りガツオ」です。

「どちらかというと初ガツオの方がもてはやされる傾向にあるけれども、秋の戻りガツオの方が脂がのっておいしいのでは?」と疑問に感じた加藤。

初ガツオと戻りガツオ、果たしてどちらがおいしいのでしょうか?

木村先生の意見としては「まさに愛ちゃんが言うてる通り」。つまり、戻りガツオの方がおいしいそうです。

とはいえ、魚の味には好みがあるのも事実。脂がそれほどのっていないさっぱりしたカツオが好きな人もいるし、脂が十分にのった、丸々太ったカツオが好きという人もいます。

カツオは脂がおいしい魚なので、「秋に北の方でがつがつエサを食べて、太ったカツオの方がおいしいのでは」ということです。

冬も春もカツオが「居着いている」

木村先生によると、地球温暖化の影響で、日本沿岸は冬場の水温が下がらなくなってきたといいます。

昔は、初ガツオを「上りガツオ」、戻りガツオを「下りガツオ」と呼んでいました。

冬から早春にかけて、カツオは太平洋の沿岸を鹿児島の南から東北・北海道の東沖まで上り、そこでがつがつエサを食べて、秋になると下ってくる。これが今までの普通の考えでした。

しかし最近は、三重県沖に冬も春もカツオが「居着いている」状態だというのです。

加藤「えっ、東北とか北海道の方に行ってないんですか?」

木村先生「いや、行ったやつが多分、もっと南まで戻らない」

加藤「下りきれない、というか」

木村先生「春先でも、戻りガツオのような脂がのったやつがおるんですね」

魚の変化に人間も適応すべき

文献で出てくるような昔の話と違う状況になってきているのは、やはり地球温暖化の影響。とはいえ「おいしいのが手に入るのは、いいかもしれない」と笑う木村先生です。

加藤「そうやって変わっていくのは、心配ではありますよね」

木村先生「そうですね。心配ではありますが、魚がそうしているように、こちらもうまく適応して、水産業も考えていかなあかんのではないかな、と思うんですね」

地球温暖化による魚の変化に、水産業は適応していく必要があるという木村先生。

そもそもの地球温暖化は由々しき事態で、なんとかしなければいけないこと。とはいえ春でも、脂ののったカツオがそのあたりでも獲れるのはいいことかも、という前向きな意見です。

本来、初ガツオはエサをあまり食べていない状態なのでほっそり、戻りガツオは豊富なエサを食べているから脂がのっていておいしい。これが基本ではあります。

カツオの脂が好きな方には、やはり秋の戻りガツオがおすすめという話でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年05月18日08時31分~抜粋

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