多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

カツオはなぜ「たたき」で食べるのか

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

5月11日の放送では、「どうしてカツオは“たたき”で食べるのか?」について教えてもらいました。カツオの最もメジャーな食べ方は「たたき」ですが、これは一体なぜなのでしょうか?

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表面のバクテリアを殺すため

「カツオのたたきが大好き」という木村先生によると、これは「安全のため」。

所説あるものの、カツオは比較的傷みやすい魚なので、安全のために表面のバクテリアを殺す必要がありました。それが理由ではないか、というのです。

加藤「じゃあ本当に鮮度がいいものじゃないと、お刺身では食べない?」

木村先生「そうですね。やっぱり傷みやすい魚ではあります」

江戸時代、氷は非常に貴重なものでした。
そのままだとやはり傷んでしまうので、表面を焼いたのではないかということです。

江戸時代の人の知恵

しかしこの表面を焼くという行為は、他にも理由があったと思われます。

木村先生「表面の焦げた匂いっておいしいですよね。香りが立ちますよね」

刺身は匂いませんが(匂うとしたら生臭い匂いです)、焼くことによって香ばしくなります。

冷蔵技術が進んでいなかった時代から、「表面をあぶれば腐りにくい」そして「香ばしさが出る」と知っていたということ。
つまりカツオのたたきは、よく考えられた食べ方といえます。

カツオの“あぶり”と言わない理由

回転寿司店で「あぶりサーモン」「あぶりえび」などを目にすることもあります。

しかしなぜカツオだけは、カツオの“あぶり”とはいわず、“たたき”と言うのでしょうか。

これも由来は所説あるようです。
今回はその中から、最もメジャーな理由を解説してもらいました。

木村先生「表面を焼いたカツオに、塩や醤油をかけて、表面をポンポンポンポンと叩いた、というのが『たたき』の語源になってるというような説があります」

実際、塩や醤油をなじませるために叩いているようです。

大切なのは皮を取らずにあぶること

木村先生がカツオのたたきを作る時は、焼く前に塩をふり、それをなじませるためにやはり表面を叩いているといいます。

先生自ら作っていることに驚く加藤に、「焼いてすぐの香りですよ。その香りを楽しむには自分で焼かないと」と木村先生。

カツオはもちろん、魚は表面を焼くと香ばしい匂いがして食欲をそそりますが、ここで注意がひとつ。
魚をあぶる時には、皮を取らずにあぶることがとても大切だといいます。これはカツオ以外の魚でも同じことのようです。

木村先生「多くの魚は、皮の下に脂があるんですよね。皮をひいてしまうと、その下のおいしい脂を捨ててしまうことになるんです」

皮のまま食べるのがベストですが、刺身では硬くて食感が悪く、生臭さが残ります。
皮を柔らかくし、香ばしくするためにも、表面を焼くのがよいというわけです。

大間のマグロあぶりはどう?

加藤「カツオは傷みやすいからたたきが有名だけれど、お刺身でも十分おいしい魚はいっぱいいるから…」

木村先生「あぶるとますますおいしくなると私は思ってますけどね(笑)」

人によって好みはありますが、確かに「マグロのたたき」は聞いたことがありません。

木村先生「マグロは大きいですからね。小さいマグロだったらあぶってもおいしいんですけどね」

この話を聞いて、大間のマグロをあぶってみたくなった多田しげおでした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年05月11日08時33分~抜粋

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