多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

大気汚染で平均寿命が短くなる!?日本でも将来大きな問題に。

ロイター等が伝えたところによれば、タイ北部の都市チェンマイとその周辺地域で大気汚染のレベルが高まっています。
日本への影響はあるのでしょうか?

5月9日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、沢朋宏アナウンサーが「世界の大気汚染」について解説します。

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チェンマイの大気汚染の原因

チェンマイの大気汚染の状況について説明する沢アナ。

沢「かなりひどいです。チェンマイが3月の末に、WHOなどが推奨する空気汚染のこれが限度という値の20倍くらいというひどさでした。
観光の町なのにみんなが観光に訪れなくなったと言われています。また、地元の人たちに呼吸器系の疾患の人が増えてきました」

その原因は、焼き畑農業によるものと見られています。
タイ政府の宇宙技術開発機構が衛星写真で解析したところ、春先に野焼きの頻度が高くなり、一晩で5,500カ所あったということです。

沢「加えて、隣のミャンマーでも同じような農業がおこなわれています。チェンマイのあたりはもともと谷山谷山の連続なので、谷の深いところに空気が溜まりやすい。
ということで、世界の中でもチェンマイは3月から5月初めには、世界で指折りの空気の汚染地帯になってしまいました」

途上国で起こっている複合汚染

チェンマイの汚染は「指折り急にひどい」という沢アナ。

沢「原因が焼き畑といいましたが、いま実は複合汚染が問題になっています。一次産業的な、農業で煙を出すことによる大気汚染。
次は二次産業、工場の排ガスに対して適切な措置をとらず、燃やしたら燃やしたままという出し方をする」

他の国でも見られる現象でしょうか?

沢「先進国対発展途上国で常に揉めています。先進国は『そんな工場いい加減にしてくれ、ちゃんと煙突をつけろ』、発展途上国は『あんたら何十年も同じことやっとったやないか』(と反論する)。

それにもうひとつ、三次産業、輸送機関もあります。排ガスを吐きながらモノを運んでいます。

そういうものが複合的になって、いま大気汚染の一番ひどいところはバングラデシュ、インド、中国、ミャンマー、タイの奥のあたり。実はそれ以外にブラジル、アメリカ、韓国、日本、ヨーロッパ全域、ロシア、オーストラリア」

結局、全地球的に大気汚染が進んでいることになります。

世界観測網ができた

実はこうした汚染状況が把握されるようになったのは、最近のことだそうです。

沢「今まで測ることができなかったところに観測機器をおいて、即時24時間切れ目なしで発信できるようになった。大気汚染の世界観測網がようやくできあがってきたんです」

つまり最近急激に悪化したのではなく、観測環境が整ってよくわかるようになったということです。
その代表がチェンマイですが、世界的にはそういった汚染された地域が多数あるわけです。

沢「WHOが推奨するような、きれいな空気のところに住むことができていない人が、日本も2割3割はいます。日本もその中から逃れられていないのです」

われわれの問題

現在汚染が世界的にひどくなって注目されているのは東南アジアだとか。

沢「もともと影響を受けていた国々がいち早くこれはマズイと感じ始め、国レベルで先に声を挙げ始めたのが東南アジアです。感覚が進んでいると思います」

その一例として、インドネシアの都市部では「今日はナンバープレートの末尾が“9”の車しか通行できない」などと、制限しているそうです。

沢「それがあまりに不自由だということで、東南アジアではハイブリッドから電気自動車という流れから、ガソリン車を全廃にして一気にEVに切り替えようとしたりしています。

また、いま特に言われているのが、微粒子汚染による『損失余命』という言葉です。平均寿命が少なくなるということで、それを研究することが大テーマになっています。大気汚染は見えないけど深刻だということです」

多田「チェンマイの大変さはむちゃくちゃ大変で、実はそういうところが全世界各地に現れている、それが最近最新のインターネットの解析でわかってきたということですね」

沢「まず、われわれが気付くことが大事です」

日本でもきれいな空気のところに住むことができていない人が2割3割はいるという事実が、大気汚染が他人事ではないことを示していますね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年05月09日07時18分~抜粋

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