多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

意外!大阪「なにわ」の語源は「庭」だった?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「金曜コラム」コーナーでは、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が毎週1つのテーマを決めて、さまざまな角度から分析しています。

4月28日の放送では、この日は一般社団法人日本造園組合連合会が認定した庭の日ということで、テーマは「庭」でした。

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「教えの庭」ってどこ?

日本で「庭」というと、今は家や学校などにあるものを連想しますが、本来は何かを行う場所という意味合いもあるそうです。

卒業式によく歌われた『仰げば尊し』に「教えの庭にも早や幾年」という歌詞がありますが、この庭とは工程ではなく、単に「場所」を指しています。

法廷のことを裁きの庭といいますが、これも場所のことです。

ちなみに法廷のことを英語ではコートといいますが、中庭という意味もあります。

さらに古代では海のことを庭と呼んでいたそうです。また魚を「な」と呼んでいました。

実は昔の大阪では魚がたくさん獲れたことから、「な」がたくさん獲れる「にわ」ということで、「なにわ」と呼んでいたという説があります。

中庭を作る理由

そもそも庭は何のために作られたのでしょうか?

歴史をさかのぼると、自分が生活している場所の周りを庭で囲って、自然や敵、獣などの脅威から守ろうというのが、1つの目的のようです。

特に古代ペルシャは荒地で砂嵐が多く自然環境が厳しかったため、何軒か家を建てて、逆に真ん中に安全な場所としての庭を作るという文化がありました。

この中庭のことをパイリダエーザと呼び、これが楽園を表すパラダイスの語源になったそうです。

スペインのアルハンブラ宮殿には獅子の中庭という、有名ですごくきれいな場所がありますが、スペイン語ではパティオといいます。

開けた空間ですが外からは見えないということで、日本でも一時期パティオが流行りましたが、なかなか日本の住宅事情からパティオを持つのは難しそうですね。

御庭番ってどんな仕事?

江戸時代の日本では「御庭番」という肩書きがありました。
これは8代将軍の徳川吉宗が設けたものです。

表向きの仕事は庭の管理をしているように見えますが、実は地方を回っていろいろな情報を集め、直接将軍に報告するという隠密活動を行なっていました。

将軍のお屋敷によくわからない人がいると怪しまれますが、警備や管理を行うために庭にいても不自然だとは思われませんので、御庭番という名前をつけていたんですね。

西洋と東洋、庭の作り方の違い

日本と西洋では庭の作り方が異なるようで、西洋では「自然に打ち勝った」という表現をすることがあるようです。

例えばフランスやイギリスの庭園は左右対称の幾何学模様ですが、これは人が手を入れてある意味不自然ともいえる整然とした庭が作られているという証明でもあります。

一方で日本では、なるべく自然のものを生かした作りや自然を模した作りとなっています。

お茶室へ行くまでに風情を感じてもらうために、庭が作られていたりします。

自然への向き合い方も、西洋と東洋で異なるのかもしれません。
(岡本)
 
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2023年04月28日07時19分~抜粋

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