今や市販のお茶の代名詞といえば『お~いお茶』。
販売しているのは伊藤園。
その会社の名前から老舗のお茶屋というイメージを持つ人もいるかもしれません。
ところが、実はもともとまったく異なる物を売っている会社でした。
4月26日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』「ルーツ・オブ・カンパニー」では、伊藤園の前身会社についてスポットを当てるとともに、市販のお茶の歴史についてもひも解いてみました。
お茶がメインではなかった
伊藤園の前身は、1964年(昭和39年)に創業した日本ファミリーサービスという会社です。
もともと食料品の訪問販売が中心で、主に取り扱っていたのは調味料だったそうです。
その販売方法が独特で、調味料を訪問先に置かせてもらい、しばらく経ってから訪問した際、使った分だけ代金をもらい、なくなった調味料を補充するというもの。
富山の置き薬と販売方法が似ていて、「置き調味料」といえますね。
しかし、この販売方法では思ったほど売れませんでした。
しばらくして訪問販売を辞めた後、主力商品をお茶にシフトしていくことになったそうです。
その理由は、お茶が比較的利益を生む商品だったため。
そして、パック入りのお茶を小売店に直接販売することを始めました。
缶入りウーロン茶の先駆け
お茶の販売が軌道に乗ってきた頃、東京上野にあったお茶の問屋「伊藤園」から商号を受けて、株式会社伊藤園が誕生しました。
そして1979年(昭和54年)にはウーロン茶の葉を輸入して販売。
翌年には缶入りのウーロン茶を販売。これがエポックメイキングな出来事でした。
当時は缶入り飲料といえばジュースやコーヒーが主流でしたが、お茶という無糖の飲料を缶で売るという市場を新しく作った先駆けが、伊藤園といえます。
ウーロン茶はいろいろな食べ物と合うことで人気となり、ヘルシーブームとともに売り上げを伸ばしていきました。
その後登場したのが緑茶です。
ペットボトル入りお茶の先駆け
1985年(昭和60年)には缶入りの煎茶を販売し、1990年(平成2年)にペットボトルで緑茶飲料を販売しました。
かつてお茶といえば家で淹れるもので、わざわざ外で買うものではありませんでした。
それが今や、逆にコンビニや自販機でペットボトル入りを買うのが普通になっています。
そして2000年(平成12年)には、業界に先駆けて温めることができるペットボトルの素材を開発し、温かいお茶の販売を始めました。
2019年には『お~いお茶』の発売30周年を迎え、販売実績が世界一でギネスに記録されました。
そして、2022年8月には累計販売本数400億本を突破するほどのブランドにまで成長し、お茶の代名詞となっています。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年04月26日08時18分~抜粋