多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

なぜイノシシは市街地に?その生態と現状

イノシシが市街地に出没するようになりました。春のこの時期は特に多いようです。
そもそもイノシシとはどのような生態の生き物なのでしょうか?

4月11日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、石川県立大学の生物資源環境学部の講師、東出大志先生に伺いました。

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走ると意外と速い

イノシシの大きさはどのくらいでしょうか。

東出先生「だいたい1mくらいです。大きい個体だと1.5mくらいです。最近だと、60kg、70㎏のものが多いですが、大きいものだと100㎏を超えるものもいます。ずんぐりむっくりとした形です」

走る速度はどのくらいですか?

東出先生「時速50kmくらいと言われています。成人男性くらいは簡単に吹き飛ばせます。
イノシシは跳躍能力も高い動物で、1.2mくらい跳んだという報告があります」

増えるイノシシ

イノシシの繁殖能力はどうでしょうか?

東出先生「冬12月に発情期が始まり、交尾してこの4~6月に出産をします。
日本の哺乳類だと繁殖能力が高い動物です。平均すると4.5頭くらいという報告があります。割と死んだりするので、すべてが生き残るわけではないですが、自然条件下だと、病気を除くと、そんなに死ぬ機会がないとも言われています」

繁殖能力が高く、人のそばで住んでいるイノシシは環境も快適なのかもしれません。
だから数が増えているのです。

食べているものは?

そもそも野生のイノシシはどういう場所に住んでいるのでしょうか?

東出先生「広葉樹林とか竹林、最近は耕作放置地に好んで住んでいると言われています。

雑食なのでいろんなものを食べます。タケノコ、クズとかの根茎、植物の葉、どんぐりのような堅果類。動物だとミミズ、カエル、昆虫などを食べていると言われています」

イノシシの性格はどうでしょうか?

東出先生「かなり警戒心の強い動物だと思います。基本的には人の気配を感じたら逃げていきます」

なぜ町に出るようになったか

なぜ市街地で見かける状況になっているのでしょう?

東出先生「特定の地域では餌付けが行われていたりします。
そういったのに慣れると昼からも顔を出して、人間からエサをもらったりします。それはいいことではないです。人慣れした結果、街に出没しやすくなったという問題も引き起こしています。

ウリ坊はかわいく見えて、それにエサをあげる人が出てきて、それに慣れてくると、そこにほかの人も加わるという形があるのかなと思います。

餌付け行為は彼らの食性も変えてしまい、後々人間に被害をもたらす可能性もあることは認識した方がいいと思います」

イノシシの餌付けは人のために、イノシシのためにやってはいけないことでしょう。その結果、人里近くまで来て、農作物を食い荒らされるという被害が出てきています。

稲やみかんの被害

イノシシによる被害はどんなものが多いでしょうか?

東出先生「大きいのは稲作です。コメの場合は、食べられるというだけでなく、イノシシが田んぼに入っていくと、イノシシが通った道も全部踏み荒らされる。

イノシシは泥があるところに『ヌタうち』という行動をとります。田んぼの湿った土で身体に泥をすりつけるという行動です。食べなくてもそういった被害があります」

最近は果物の被害も多いようです。

東出先生「瀬戸内海の方だとミカンの栽培が盛んですが、そちらの方も最近イノシシの密度が高くなっていて、ミカンの枝を折るという被害も報告されています」

人の近くまできたイノシシを山へ追い返すのは難しいそうです。
全部バリアを張ることもできないので、特に対策はないそうです。だから餌付けなどは絶対してはいけません。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年04月11日07時22分~抜粋

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