多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ドラゴンズ・ロドリゲス選手で話題 あらためて「亡命」について学ぶ

先日、キューバ出身のジャリエル・ロドリゲス選手が亡命したのではないかと報じられ、ドラゴンズファンの間でも困惑が広がっています。

そこで、4月6日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が「亡命」について解説しました。

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亡命の定義

「亡命」は文字どおりで考えると、命を亡くすということになるのですが、ここでの「命」は生命のことではなく戸籍のことを指し「戸籍を失くす」という意味になります。

本来、世界中の人は基本的にどこかの国に籍を置いている、所属しているという形ですが、それを失くすというわけです。

ではなぜ、他の国へ行って戸籍を失くすのでしょうか?
母国にいると政治的や宗教的な理由で迫害を受けたり、場合によっては命の危険にさらされたり、民族で差別されたりと、さまざまな背景があるためです。

ただ、他の国へとすんなり出られて、なおかつ行く先の国でも受け入れてもらって生活できることは亡命とは言いません。
例えば日本からアメリカへ移り、永住権を手に入れて住むことは亡命とは言いません。

世界的な慣行としては、迫害を受けていて逃げて来たことがわかっている人に対しては、原則としては追い返さずに亡命を認めるということになっていて、それらの人々を守るため、難民条約などもあります。

どうやって亡命は行われる?

他の国へ出にくい国の例では、今回のロドリゲス選手がいたキューバだけではなく、「脱北」という言葉もある北朝鮮、中華人民共和国などの社会主義国に多い印象があります。

実際にはどのような方法で亡命を実現するのでしょうか?

石塚「歴史上を見たら本当にさまざまで一概に言えないんですけど、例えば北朝鮮やキューバのケースでいうと、多いのは無理やり川を泳いだり海をイカダで渡って国境を超えてくる。

ドラゴンズのビシエド選手はイカダに乗ってフロリダに渡って、亡命させてくれって言ったのがスタートですね」

本当に命懸けでやってくることがあるようです。

石塚「政治的なことでいうと、国が転覆しちゃったみたいな時には、偉い人は飛行機に乗って逃げてくる。
フィリピンのマルコス大統領は、革命が起きたらハワイへ飛行機で逃げましたよね」

また、歴史をさかのぼると、中国の清や中華民国の時代に、孫文が日本に亡命をしたことがあります。

大使館へ逃げ込むケースも

その他にも世界的なスポーツイベントや学会が開催された時、外国へ行って大使館へ逃げ込み、そのまま亡命するというケースもあります。

大使館へ逃げ込んだケースですと、内部告発サイトのウィキリークスを創設したジュリアン・アサンジ氏がイギリスにあるエクアドルの大使館に逃げ込み、そこから何年も出てこない状況が続きました。

イギリスはアメリカと同盟関係にあるため、出てきたら即逮捕となりますが、ロンドンとはいえ、大使館はエクアドルの管轄であるため逮捕できないという状況が続いていました。

その他にも亡命して新しい政府を作るケースもあったりとさまざまですが、最後に石塚委員は「なぜその人がその国にいられない状況が起きているのか考えることが大事」とまとめました。
(岡本)
 
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2023年04月06日07時21分~抜粋

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