多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

春の「菜種梅雨」はなぜ起こる?梅雨との違いは?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがリスナーの質問に答える「沢君教えて!」のコーナー。

3月31日の放送で取り上げたのは「菜種梅雨(なたねづゆ)」について。菜種梅雨とはその名の通り、菜の花が咲く頃の長雨のことです。

6~7月の梅雨は、南の高気圧と北の高気圧が日本列島のあたりでおしくらまんじゅうをすることで起きる現象ですが、春の「菜種梅雨」は一体何が原因なのでしょうか。

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冬と春の空気の境目

沢によると、日本のあたりを流れる空気は、少なくとも3つに分かれるといいます。

それは、夏の太平洋上の空気が覆ってくるパターン、春や秋の大陸から流れていく空気のパターン、冬の北の方から下りてくる空気のパターン。

菜種梅雨は、春や秋の空気と、冬の空気とのはざかいで起こる現象です。

上空のジェット気流の位置がだんだん日本列島付近にかかってくるようになると、日本列島の周りが北からの空気だけに覆われていた状態ではなく、北からの空気に覆われたり、西からの空気が入ってきたりと、日ごとに空気の入れ替えが行われるようになります。

多田「そこで、ちょびっとずつおしくらまんじゅうをしている」

沢「そうです。ちょびっとずつのおしくらまんじゅうです」

このため、この時期は雨の日が続くというわけです。

菜種梅雨前線はある?

ここで多田が、この菜種梅雨に関するリスナーからの質問を読み上げます。

「沢君教えて!梅雨前線はありますが、菜種梅雨前線はあるんですか?」(Aさん)

梅雨前線や秋雨前線は聞いたことがありますが、菜種梅雨前線も存在しているのでしょうか。

沢の答えは「一応、あるにはあります」というもの。

沢「あるんですけど、あまり有名じゃないんです(笑)。まだまだ無名です。まだデビューしてないのかな?っていう」

梅雨の梅雨前線は、日本列島に6週間ほど居座る前線です。

そもそも梅雨前線という名前の前線があるわけではなく、日本のあたりに停滞する前線のことをその時期は「梅雨前線」と呼んでいるということです。

気付かれないまま終わる梅雨

これが秋であれば「秋雨前線」。それならば菜種梅雨のころの前線は同じように「菜種梅雨前線」と呼んでもいいはずですが?

なぜ「菜種梅雨前線」という言葉がないのか?
その理由は、菜種梅雨が5~6日しか続かないから、なのです。

沢「なので、なんか雨雨雨雨…終わったー」

多田「前線ができてるんだけど、それほどみんなに気付かれずに、一発芸で終わったっていう感じですね」

実は今年の菜種梅雨も、先々週の数日ですでに終わったんだそう。

多田「その時も前線は確かにできていたけど、無名のまま終わってた。そういうことなんですか」

冬になる前の「さざんか梅雨」

冬から春が「菜種梅雨」、春から夏が「梅雨」、秋になる前の「秋雨」、そして冬になる前にも一度あります。

沢「菜種梅雨のように短い雨が続く『さざんか梅雨』。“天高く馬肥ゆる秋”のイメージの11月の終わりから12月の頭ぐらいに、いきなり4~5日の曇り雨の続くことがあって」

これが、さざんか梅雨です。

多田「さざんか梅雨とか、菜種梅雨とか。そういう名前を付けるのは、日本人の風情ですね」

沢「ですね。四季の変化が大きい国だからこそ、だと思います」
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年03月31日08時06分~抜粋

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