多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

毎日食べていても、意外と知らない昆布の世界

最近アメリカ、ヨーロッパあたりで日本の昆布が注目されているそうです。
和食ブームによって、独自のうまみの正体が昆布ということが知られるようになり、特にベジタリアンから注目されているそうです。

3月28日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、北海道大学教授 四ツ倉典滋先生に昆布について伺いました。

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昆布の定義

そもそも「昆布」とは何でしょうか?

四ツ倉先生「学術的にいうとコンブ目に属する海藻をコンプ類といっています。その中で北海道の沿岸など、冷たい海に生えていて、笹の葉の形のような単純な形で、食材として古くから和食などに用いられてきた海藻を私たちは『昆布』と呼んでいます」

昆布には真昆布、利尻昆布、日高昆布、羅臼昆布などがあります。

四ツ倉先生「小さいものは1m程度。大きいものは10~15mにもなります。
葉っぱだけではなく、茎と根があり、根で海底の岩やコンクリートブロックに付着してゆらゆらと生えています。浅いところから、光が届く水深10mくらいのところまで、横に倒れて波にゆらゆらと揺られています」

すごい生命力

その生態についても伺いました。

四ツ倉先生「だいたいのコンブは群生しています。広い面積を昆布が占めているので何千本というコンブがその一帯に生えている状況です。その中に紛れると森に迷い込んだような状況になります」

昆布はどこから栄養をとっているのでしょうか。

四ツ倉先生「コンブをはじめ海藻類は、身体全体で栄養分を吸収しています。だから地面からはずれてしまっても昆布自体は生きることができます。海水の中の窒素、リン、微量な金属を身体全体で吸収して成長しています」

すごい生命力を持っているのです。

コンブ漁と養殖

漁はいつごろ、どのように行われるのでしょうか?

四ツ倉先生「大きくなるのが夏の時期です。漁獲時期は7月から9月頃です。小型船に乗って海の上から覗きメガネでコンブを探して、長い竿で巻き取ったりして漁獲します。ただ引っ張るだけでは切れてしまいます。長い棒の先がYの字になっていて、それで絡めとって引き揚げます。これは技術が必要です。経験が漁獲量に大きく響いてきます」

こうして収穫されたコンブは、浜辺で天日干しで乾燥させ、保存できるようにして商品化されて昆布として食卓に並ぶわけです。

ところで、養殖されているものもあるのでしょうか?

四ツ倉先生「養殖は大きくは2つに分かれていて、ひとつは種苗生産という種を作るところです。これは大きな体育館みたいなところで、海から種を出すためのコンブを採ってきて、それから種を出して、養殖糸に種を人工的にくっつけます。
その種を水槽の中で2カ月弱育てて、だいたい葉っぱが1cmくらいになったら漁師さんの手に渡して、その糸をロープに組み込んで海に垂らして、大きなコンブに育てていきます」

和食を支える昆布

養殖が始まったのは1970年頃ですが、北海道では全生産量の3分の1を養殖が占めているとのこと。
では、北海道産の昆布はどのくらいのシェアで精算されているのでしょうか?

四ツ倉先生「95%以上、96から97%が北海道産です。北海道は水産業が盛んですが、コンブは、ホタテ、鮭につぐ漁獲金額をあげています。実際、毎年200億円を超すような大きな漁獲量をあげています。

10年前『和食』が世界無形文化遺産に登録されていますが、昆布や鰹節がなければこれは成り立たないものです。和食を支えているのが北海道の昆布といえるかもしれません」

毎日なにげなく食べている昆布ですが、その生態や漁の仕方、養殖が増えていることなど、驚きがいっぱいです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年03月28日07時17分~抜粋

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