多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

文化庁が京都に移転!そのメリット・デメリットは?

3月27日から文化庁が京都へ移転し、業務を開始することとなりました。
中央省庁の本格的な地方移転は、今回が初めてです。

この日に放送されたCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、文化庁の京都移転はどのような意味があるのかについて、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

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大きな移転は初めて

文化庁が移転するきっかけとなったのは、かつて安倍政権が「地方創生」を看板政策として掲げていた際に、2014年に政府の関係機関を移転しようと決めたことです。

東京に集中している省庁の一部が地方に移転すれば、それに付随して民間企業が地方に行くことで、地方経済が活性化するという考えがあったようです。

地方から招致の声は結構あがっていたようですが、やはりいろいろな事情で難しいということで、実際には消費者庁のごく一部だけが徳島に移転したり、総務省統計局が和歌山に行ったという例があった程度でした。

今回の文化庁の移転が大きなニュースとなっているのは、本体が移転したためです。

なぜ文化庁が選ばれた?

ただし、すべてが京都に移るわけではなく、半分ほどは東京に残っているとのこと。
これは国会への対応を行うセクションや他の省庁と連携するセクションは、東京にある方が便利なためです。

国会議員から急に説明に来てくれと言われても、新幹線で2時間以上はかかりますし、しょっちゅう出張をしなければならず、時間的にも経済的にも非効率となります。

もちろん、オンラインで対応する手もありますが、やはり直接対応しないとやりにくいとなると、やっぱり東京でということになるようです。

では、数ある省庁の中で、なぜ文化庁は移転に選ばれたのでしょうか?

石塚「まず文化庁の仕事と京都の親和性が高かったということですね。京都は文化財が多いし、文化に強いということがあります。

それから京都も(誘致に)一生懸命だったのと、あれだけ安倍政権がぶち上げて、(移転する省庁が)1つもなしってわけにはいかないだろうという思いもあったと思うんですよね。

そうは言いながら、半分より少ないぐらいが東京に残る」

移転によるデメリットも

移転のデメリットとしては、移転費用に11億円、今後は出張費等で毎年4,700万円ほどと、負担が増えるという点。

オンライン会議のツールなどがあるものの、やはり顔をつきあわせて話をしないと伝わらないということがあるようで、京都に勤務している職員が国会対応などで上京することなどもあって、それだけ出張費がかかると試算しています。

また、今のままだと京都だけが盛り上がっているだけで、地方創生までには広がらないように見えますし、特に今回の移転で民間企業が京都にシフトしているわけでもないため、あまり効果が見えないようです。

政府は2023年度中に文化庁の移転に関する効果を検証し公表すると言っているため、本当に地方創生へとつながっているのか、気になるところです。
(岡本)
 
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2023年03月27日07時19分~抜粋

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