多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

桜の季節の疑問。南の地域よりも東京の開花が早いのはなぜ?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、気象予報士でもある沢朋宏アナウンサーがリスナーの質問に答える「沢君教えて!」のコーナー。

3月17日の放送には、「なぜ桜の開花は東京が一番早いんですか?」という質問が多く寄せられました。鹿児島や高知など暖かい都道府県はあるのに、なぜ東京なのでしょうか。

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「都市化」の影響

今年は14日に東京で開花宣言が出されました。少し前までは、イメージ通りに九州南部や四国の方が早かったのですが、最近は東京が早くなっています。

その理由はいくつかあります。

ひとつ目は「都市化」。
「ビルが立って、ヒートアイランド現象。つまり東京の都心部は鹿児島よりも暖かいということ?」と尋ねる多田しげおに「簡単に言うとそういうことです」と沢。

温暖化は、地球全体の気温がまんべんなく上がること。都市化は、ビルや車からの排熱によって、そのエリアだけの気温がぐんぐん上がることです。

「東京20℃超え」のニュースを目にすることがありますが、これは「東京だから」ではなく、鹿児島よりも気温が高いから取り上げられているというわけです。

「休眠打破」できない?

ふたつ目は、「鹿児島などの南の町は、温暖化の影響で冬の寒さがゆるみすぎている」ということ。昔のように、冬がきっちり寒くならならないことが理由です。

桜の話題では、「休眠打破」という言葉を耳にすることがあります。ソメイヨシノの開花には、ある期間低温にさらされる必要があるのです。

多田「鹿児島あたりは、“ハッ”と目覚める瞬間がはっきりしないんですか?」

沢「ざっくり言うとその通り、寝ぼけているという状態」

近年の傾向としては、鹿児島や宮崎は開花が遅いだけではなく、開花から満開までも時間がかかるようになっています。これはすなわち「咲き揃わない」ということです。

沢「九州南部から10年後にはソメイヨシノはなくなる…かも…っていうぐらいに。今どんどんと温暖化が進展してしまっている」

年々早まる開花日

東京は春先の暖かさで早く咲きます。温暖化の影響で冬の寒さがやや弱まってきているので、鹿児島や高知では開花が遅れ気味になっています。

こういった複合的な理由で、結果日本列島では東京の桜が最も早く咲くようになったというわけです。これは地球にとって、あるいは都市部にとっては、決していい傾向ではありません。

東京のソメイヨシノの平年の開花日は、1980年代では3月30日。「入学式に桜が間に合わない」ということも多くありました。

90年代は3月26日に、2000年代は3月24日。20年で1週間早まっています。

2020年の開花は3月14日、2021年は3月14日、2022年は3月20日。そして今年2023年は3月14日です。

2020年代を集計するときには、桜の開花日はさらに前倒しになっていることが考えられます。

ホワイトデーに桜ソング?

多田「卒業式のころに咲くかどうか、期末テストの頃に咲く花になってきましたね」

沢「たぶん2030年頃のラブソングは、ホワイトデーで桜を歌うんですよ。『俺の気持ちが、桜の、ホワイトデー!』みたいな」

なぜかラップ調に歌い上げた沢を、多田は華麗にスルー。「あれ?全然ダメか」と苦笑いの沢です。

まとめると、東京の開花が早いことは地球としてはよくない話である、というわけです。
(mitno)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年03月17日08時05分~抜粋

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