多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「こどもの感染症」にはどんなものがある?種類や症状について

専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』(CBCラジオ)のコーナー「健康で生きる」。

3月のテーマは「小児科の診療」です。
15日の放送では大同病院・小児科部長の浅井雅美先生が「予防接種」について解説します。
聞き手は多田しげおです。

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乳幼児の感染症

小児科は、新生児期から思春期(15才、中学3年生ころ)までを対象として診療を行っていますが、病気の治療はもちろん、成長・発達の相談や健診、予防接種等、こどもの成長・健康全てに関わっています。

今回のテーマは「こどもの感染症」です。

多田「乳幼児の感染症、例えばどんなものがあると思えばいいですか? 」        

浅井先生「小学校に入るまでの時期はこどもたちは様々な感染症にかかります。
幼少時期にかかると重症になる感染症も多いです。ほとんどがウイルス感染症です。

ただ多くの種類のワクチン接種が実施されるようになって小児期の感染症も以前よりかなり少なくなりました。

小学校にあがるまではいろんな感染症にかかるのは当たり前で、かかることで少し免疫がついて、小学校ぐらいになるとコロナやインフルエンザなどの特別なものは別として、熱を出すような病気は少なくなるというのがこどもたちの感染症の経緯ですね」

重症化の恐れも

多田「いま新型コロナウイルスの話が少し出ましたが、こどもたちはこの新型コロナウイルスはどのように思えばいいですか?」

浅井先生「当初、小児はあまり罹らなかったですが、デルタ株の流行以降現在のオミクロン株の流行になってからは多くのこどもが罹っています。

高齢者に比べれば重症になるこどもは多くはありません。ただ、感染するこどもの数が多くなれば重症化するこどももいます」

多田「コロナ以外では、特にこどもが気をつけた方がいい感染症にはどんなものがありますか?」

浅井先生「感染症にはウイルス感染症と細菌感染症があります。小児にかかる感染症のほとんどがウイルス感染症です。
接種するワクチンが増えましたが、まだまだワクチンで防げないウイルス感染症は多くあります。

新型コロナウイルス感染症の流行後、こども同士の接触が減り、各々の手指衛生等の徹底の影響か感染症は激減しました。
2020年度は感染症の流行はほぼありませんでしたが2021年度はRSウイルス感染症が大流行しました。
2022年度は手足口病、RSウイルス感染症、そしてインフルエンザの流行も続いています」

多田「RSウイルス感染症とはどんなものですか?」

浅井先生「こどもの気道の感染症で重症になることが知られているウイルスがRSウイルスです。
年長児が罹ると発熱・鼻水などの症状が数日続き、多くは軽症ですみますが、乳児期早期、特に6か月未満の児が罹ると重症になります。
細気管支炎や肺炎など下気道の感染を起こすため入院する場合も多いので要注意です」

消化器感染症にはどんなものが?

多田「こどもの消化器感染症にはどんなものがありますか?」

浅井先生「ワクチン接種が開始になるまでは、乳児期のロタウイルス感染症は最も重症になるウイルスでしたが、現在はほとんど流行しなくなりました。

大人と同じようにノロウイルス感染症もありますし、夏はエンテロウイルスやアデノウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。
頻回の下痢、嘔吐がある場合、小児期は脱水になりやすいのでぐったりしている、顔色が悪い、おしっこが少ないなどの症状がある時は、早めに受診ていただければと思います」

大同病院・小児科部長の浅井雅美先生が「こどもの感染症」について解説しました。
(新海  優・Yu Shinkai)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年03月15日08時12分~抜粋

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