多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

江戸時代より昔の絵にあった、コミカルな姿が描かれたおじさん

栃木県の県庁所在地、宇都宮市にある栃木県立博物館では現在、「絵の中に集まる愛すべきおじさんたち」というテーマ展示が行われているそうです。

ちょっとコミカルな印象を受け、何やら昭和のような印象を受けそうですが、実は展示されている絵は結構昔のもので、室町時代から江戸時代の絵画を集めています。

3月16日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、どのような展示が行われているのか、学芸企画推進員の久野華歩さんに電話で話を伺いました。

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おじさんに焦点を当てた展示

その愛すべきおじさんというのは、よく知られている方が描いた作品のものなのでしょうか。

久野さん「全国的に有名な方とはちょっと言えないかもしれないんですけど。
栃木県にゆかりのある方が描いたものが多いです」

例えば、どのようなおじさんが描かれているのでしょうか。

久野さん「今回紹介するのは、日本人が描いた絵ではあるんですけど、昔の中国の逸話を題材にしているものなので、ほとんどは中国人の登場人物を描いたおじさんたちを展示しています」

では、実際にどのような姿が描かれているのかと言いますと……。

久野さん「例えば仏教の教えを説く師匠に憧れて訪ねて行ったりとか、友達に会いに行ったりですとか、大勢で集まって書や絵を描いたり、楽器を楽しんだりいろいろと雅なおじさんたちがいます」

見た感じ楽しそうに過ごしているおじさんが描かれているようです。
 

3人のおじさんが集まって

「愛すべき」というからには、見た目にお茶目な姿が描かれている絵もあるようです。

久野さん「例えばあるお坊さんの所に友達が2人尋ねてきて、3人でお酢をなめているというだけの絵で、酸っぱーいという顔をしているだけの三酸図という絵もあります」

なぜお酢をなめてるのかというのはさておき、この絵のポイントは、この3人は仏教、道教、儒教とそれぞれ別々の宗教を信奉しているというところ。

それぞれの教えが異なっていてもリアクションは同じであることから、源は一緒、三教一致であるということを表すエピソードを絵で示しているのです。

ただ、絵を観る側からすると、その酸っぱいという表情が愛すべき姿に見えるかもしれません。

酔っ払った姿に憧れも

おじさんと切っても切れないのがお酒ですが、お酒を飲んでる絵はあるのでしょうか?

久野さん「中国の唐時代に、大変酒好きのおじさんたちを8人描いたものがありまして。
酔っ払った姿が描かれておりまして、国の役人であったりとか、中には詩人で有名な李白もおりまして。
後の時代に人々の憧れのイメージの源として愛されてきたおじさんになりまして」

さまざまな絵に描かれているおじさんですが、何に憧れていたのでしょうか。

久野さん「酒を飲んだり楽しんだりしているという生きざまに憧れを抱いた人も後にいたようで」

絵にはさまざまなおじさんが描かれていますが、その人たちはどのような関係なのか、なぜおじさんたちが集まっているのか、何でそんなに楽しそうなのかなどといったことを考えながら絵を鑑賞するのも楽しそうですね。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年03月16日07時40分~抜粋

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